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耐久性で差がつきます。
なんの話だと思いますか?
実は透湿・防水シートの話なんです。
透湿・防水シート(以下、シート)とは、建物内部からの湿気を排出し、外からの雨水を防ぐ魔法のシートです。
今や建物の防水に欠かせないアイテムのひとつと言っても過言ではありません。
長い年月の間には、仕上げ材であるサイディングや塗り壁にひび割れやシーリング切れが発生し、雨水が入ることがあります。
そんな時に、雨水から建物を守る最終ラインが防水シートです。
また、躯体内の湿気を通気層に排出し内部結露を防ぐのが透湿シート。
その両方の機能だけではなく、通気層を上昇する空気が繊維系断熱材の中の動かない空気を動かす(断熱材が断熱材でなくなる)ことを防ぐ『防風層』の役目も果たしてくれます。
通気層から外部の冷気が壁体内に⼊ると温度の低下を招き、壁内結露の原因にもなりかねません。
防風層を通気層と断熱層の間に設け、外気が壁体内へ侵入しないようにすることが肝心です。
防風層は、外気が断熱材の内部に侵入するのを防ぐためのもの、断熱材内部の湿気を通気層に放散させるために透湿性を有することが必要です。
弊社が採用しているのは旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社の『タイベックシルバー』です。
弊社の現場を覗いてみると、銀色に青字で『F&P』のロゴのシートが貼られています。
タイベックシルバーには、透湿・防水の他に遮熱という性能が備わっています。
紫外線劣化防止剤を練り込んだ高密度ポリエチレンの極細繊維で生成された強靭な不織布を基材にアルミニウムが蒸着されているんです。
アルミニウムは高い赤外線反射率を持ち、熱の放射を抑える特徴があります。
銀色のキャンプシートと同じように、この特徴を活かしたのがタイベックシルバーです。
赤外線反射率は85%。高い遮熱性を有しています。
夏は外装材からの輻射熱を反射し、室内への熱移動を27%も抑え、涼しい室内を実現します。
また冬は屋外への熱の放射を21%抑え、室内を暖かく保ちます。
そんな便利なシートですが、問題は『その機能がいつまで持続するのか』だと思います。
ご存知でしょうか?
従来のシートの保証期間は10年です。
新築後10年経過したら、外装材を通り越して侵入した雨水が躯体を濡らしても保証対象外ということです。
しかも、これは漏水保証であり遮熱保証ではありません。
シートの防水性能は紫外線と熱によって低下します。
また遮熱性能はアルミニウムの酸化劣化により急激に低下します。
10年経過したからといって、外装材共々張り替える必要があるかもしれません。
写真は陽当たりの良い外に設けた衝立に各種シートを張りつけ、暴露試験を行ったものです。
かなりの悪条件ですから、わずか2年ほどで写真のようになってしまいます。
シート表面がボロボロ剥がれてしまい、ガーゼのようになっています。
同じ条件下のタイベックは写真の通りです。
この違いは何なのでしょうか?
現場に搬入された箱には『20年保証品』と書かれています。
そう、タイベックシルバーは業界に先駆けた20年保証を導入しているんです。
国内での販売開始以来30年の実績を誇り、数々の実棟サンプリング試験と30年相当の耐久性試験が行われてきたからこそ実現できた安心保障です。
10年相当の劣化促進試験により、高い遮熱性能が維持されることが認められています。
赤外線反射率の変化は極わずか。10年の間の劣化度合いは2.8%に留まり、シートおよびシート表面の劣化はほとんど確認されませんでした。
先程の写真をもう一度ご覧ください。
赤字で防蟻防腐剤対応品と書かれていると思います。
あまり知られていないようですね。
構造躯体への防蟻防腐処理の際、シートへ薬剤が付着するとシートの防水性が低下するリスクがあるんです。
メーカーでは、薬剤が充分乾燥してからシートの施工を行うように注意喚起が行われていました。
でも長期優良住宅の普及で防腐処理された通気胴縁の採用が増え、これが大量の雨水に晒されることで防蟻防腐剤に含まれる界面活性剤が融け出し、シートの防水性能を劣化させる。
こうした事態が散見されるようになっています。
シートは通常、水の表面張力により雨水が入らない構造になっているそうです。
防蟻防腐剤に含まれる界面活性剤により、この機能が働かなくなってしまいます。
タイベックシルバーは既にこの対策に取り組んでいます。
グラフを見れば、一般的なシートに比べるて大幅に防蟻防腐剤耐性を高めているのがおわかりでしょう。
それにしても18%って・・・。大丈夫なのかな?
これまでの耐久性試験項目は10年相当まででした。
更なる長期耐久性が求められる昨今、30年相当(耐久性区分Ⅱ)や50年相当(耐久性区分Ⅲ)の試験項目が追加されたようですね。
さらなる耐久性の向上を期待します。
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