窓の重要性

家全体の断熱性能を高めるためには、窓の性能強化が有効です。

何故なら、窓は家の中で熱の出入りが最も多い場所だから。

上のイラストは冬に窓から逃げる熱の様子を示したもの。

外気温-1.2℃/室温20℃の場合、アルミ樹脂複合窓の熱損失は家全体の33%。

樹脂窓は24%になります。

その差、9%。大きいですよね。

住宅の高断熱化を行う際には、アルミ樹脂複合窓よりも樹脂窓の方が効果的ですよ。

窓の断熱性能を断熱材で置き換えてみました。

一般的な壁に使われるグラスウール16Kの厚さは100mmです。

プラチナFPパネルであれば、44mmの厚さに相当します。

これに対して、それぞれの窓はどの位の厚さに相当すると思いますか?

①アルミ窓+Low-E複層ガラスの場合

グラスウール16K換算で、なんと7mm。プラチナFPパネルであれば、3mmにしかなりません。

②アルミ樹脂複合窓+Low-E複層ガラスの場合

グラスウール16K換算で、なんと15mm。プラチナFPパネルであれば、6mmにしかなりません。

③樹脂窓+Low-E複層ガラスの場合

グラスウール16K換算で、なんと30mm。プラチナFPパネルであれば、13mmにしかなりません。

④樹脂窓+Low-Eトリプルガラスの場合

グラスウール16K換算で、なんと55mm。プラチナFPパネルであれば、24mmにしかなりません。

 国内最高水準のレガリスに至って、ようやくグラスウール16K換算で、110mm。プラチナFPパネルで、48mmになります。

まだまだ、窓の性能って低いんです。

それにしても、①の窓の性能ってひどいですね・・・。

いくら壁や天井・床の断熱材を厚くしても、窓の性能がこれでは駄目。

建売住宅や一部の注文住宅では、未だに採用されているんですから驚きです。

窓の性能は低い・・・。

だから昔の高断熱・高気密住宅は窓を少なく、小さくする傾向にあったんです。

ナ・ル・ホ・ド・・・。

でも、窓を大きくするメリットもあります。

①窓の配置を上手に行えば、風を採り入れ、涼感を得ることが可能、冷房エネルギー削減も図れます。

②太陽光を採り入れ、照明エネルギーの削減を図ることが可能です。

③日射取得率の高いガラスを採用すれば、冬季の暖房エネルギーの削減を図ることも可能です。

天気が良く湿度のちょうどいい日であれば、窓を開けることで換気エネルギーの削減を図れます。

ただし、視線などのプライバシー確保や防犯性・防臭性などに対する注意も必要です。

結局、窓の選択&配置・形状・大きさは設計者の知識&能力に頼るしかありません。

でも、①の選択はあり得ないと思います。

YKKapのカタログよりイラストを転載させていただきました。

 

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