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昨日、無事北国から帰って来ました。
盛岡の地で開催された、北日本グループによる『FPの家 倍増計画』研修会(第3回)。
南関東グループの有志と共に参加したんです。
その取組は非常に参考になりましたが、どちらかと言えば工務店の為のハウツー研修。
この場でご紹介するものでもありません。
そこで今回は、FPコーポレーション担当者から戴いた資料をご紹介したいと思います。
実際の火災が証明した、本当に火災に強い『FPの家』
という資料です。
平成21年のある夏の早朝、岐阜県各務市の約11年前に建てた『FPの家』で火災が発見しました。
火元は2階の主寝室。
周辺の道幅が狭く、消化活動に手間取る現場であったと言います。
鎮火後の建物を検証してみると、火元の部屋の被害が一番大きくクロスや床などは燃えたり、消化活動の際に剥がされていました。
でも柱などの構造躯体は炭化したり煤けたりしただけ、燃えてしまったり焼け落ちているところもほとんど無かったと言います。
隣の収納室への延焼もあまりなく、天井の断熱材もそのまま残っている状態でした。
一般的な住宅で火災が起きた場合、天井にまで火が回ってしまうと燃えて崩れ落ちてくる事があります。
こうなると逃げようと思っても簡単には逃げられません。
住宅火災による死亡原因の半数以上は『逃げ遅れ』によるものと言われています。
火災が起きてから逃げるまでの時間が十分に確保されて(火の手が簡単に広がらない)いれば、万が一火災が起きた時にも被害を最小限に抑えてくれます。
今回の消化に当たった消防士の中には、この火災が大惨事にならなかったことを不思議に思った方もいたそうです。
それだけ、この家の防火性能は高かったと言えるでしょう。
火災が起きた『FPの家』は、断熱材として採用しているウレタンパネルが燃えにくい素材であるため、表面は炭化しても内部まで炎を拡げませんでした。
柱や天井が崩れることもなく、住人が全員無事に避難でき、消化活動もスムーズ。
外の様子は、軒や壁の繋ぎ目から少し煙が出ている程度。
炎は全く見えなかったそうです。
これも高気密で隙間から入る空気が少なかったからでしょう。
近接した隣家への延焼もなく、住人もホッと胸を撫で下ろしたそうです。
2階の火元となった部屋の写真です。
柱や天井の野縁も燃えないで残っていました。
FPパネルの燃えにくい性質のためだと思われます。
樹脂サッシを溶かしてしまうほどの高熱でしたが、高気密住宅の特長で燃焼空気が徐々に減少し、火の手は拡がらず、天井や壁などが燃えて崩れ落ちることもありませんでした。
壁のFPウレタンパネルには隙間が無く、その中に燃焼に必要な空気がありません。
ですから、壁の中を炎が走ることもありません。
これが延焼を抑えた理由のひとつと言われています。
火元隣の収納室の写真です。
照明は焦げてしまいましたが、天井の断熱材は燃えていません。
天井裏に火が残っていないか点検するために天井の一部を剥がしましたが、野縁も燃えずに残っているのが判ります。
通路の壁(写真左側)や天井の野縁は、ほぼ残っています。
写真右側の柱や壁も表面が焦げて炭化していますが、燃えてしまうことはありませんでした。
崩れ落ちることもなく、無事に避難することができました。
高熱の空気によって階段部分は上部の壁クロスが焦げ落ちています。
階下への影響はほとんどなし。
ちなみに1階には全く火が回らず、消化による水も吸水性の低いFPウレタンパネルのお蔭ですぐに元通りにリフォーム出来ました。
2階の軒裏や壁の繋ぎ目から黒い煙が上がり、黒ずんでいます。
でも火が外には出なかったため、燃えている箇所はありません。
近接している隣家への延焼が全く無かったのは、不幸中の幸いでしょう。
FPの家の高気密性と防火性が、火災の被害を最小限に抑え、人命と財産を守りました。
生産段階に難燃剤を混入し、発泡体自体に自己消化性があるFPパネル。
ウレタンの発火温度は250℃前後であり、木材とほぼ同じです。
圧縮された微かい気泡が入っていて気泡自体に対流性がありません。
だから酸素の供給も行われず、表面が炭化するだけでパネル内部への燃焼を抑える効果を発揮します。
今回の痛ましい事故は、こうしたことを実証する結果となりました。
FPの家だから出来る事がここにもありましたね。
寒さ
暑さ
地震
強風
だけではなく
火災にも強い『FPの家』
改めて、自信を深めることができました。
良い資料をありがとうございます。
posted by Asset Red
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