こんな写真はいかがですか?

こんな写真はいかがですか?

先日お邪魔した、五所河原市に建つFPの家に置かれた展示物です。

木枠に入っているのは、断熱材。

向かって左から

①FPウレタンパネル

②押出発泡ポリスチレン

③グラスウール(16K)

となっていて、同じ断熱性能になるように厚さを変えています。

必要厚さは、断熱材の厚さ(m)を熱伝導率(W/mK)で割った断熱力(熱抵抗)で求めます。

FPウレタンパネルの熱伝導率は0.024W/mK、厚さは105mmですから

断熱力は105/1000/0.024で求めることが出来ます。

答えはカンタン、4.375。

断熱力が4.375になるために必要な厚さは

熱伝導率×断熱力

となります。

②であれば、熱伝導率は0.040W/mK

③であれば、0.045W/mKとなります。

これに断熱力4.375を掛ければ、必要厚さが計算できると言う事。

②0.040W/mK×4.375=0.175(175cm)

③0.045W/mK×4.375=0.196(196cm)

ちなみにプラチナFPパネルの熱伝導率は0.020W/mKですから、必要厚さは8.75cmになります。

改めて、FPパネルの断熱性がわかります。凄いでしょ!

 

そして隣にある2つの袋には現場発泡ウレタンが入っています。

向かって左側は、発泡・硬化して日が経っていないもの。

右側はある程度の日数が経過し、変色・収縮したもの。

元は同じだと言っても、素直に信じられませんよね?

前者は施工中の写真などで良く見掛ける状態です。

そして後者は壁の中で、人に見られる事も無い状態。

現場発泡ウレタンも、FPウレタンパネルも原材料は同じです。

ポリオールとイソシアネートを混ぜ、空気中の水分と反応して発泡・硬化します。

メーカーおよび製品ごとに発泡倍率は異なりますが、製法的にはなんら変わりありません。

それなのに、両者にはたくさんの違いがあるんです。

①断熱性能が違います。前者の多くは0.03W/mK位でしょうか?

断熱力による必要厚さで言えば13.1cmが相当します。

②吸湿性能が違います。

高密度で連続気泡の無いFPパネルと違い、現場発泡ウレタンは防湿シートの施工が不可欠となります。

(断面構成によっては、結露判定の結果不要となる場合もありますが・・・。)

③経年による収縮が違います。

築17年目のFPの家で使われていたパネルには経年劣化が全く認められませんでした。

先程の袋を見ている限り、現場発泡ウレタンの方は残念な結果になりそうです。

そして最大の違いは『無結露50年保証』が付加される事。

現場発泡ウレタンに、このような保証はありません。

壁内結露により、新築時の強度を損なうこともなく、地震の際には躯体をしっかりとサポートして地震からご家族を守ります。

 

でも価格が安く、施工が容易なのは現場発泡ウレタンです。

下地にウレタンを吹きつけるだけですからね・・・。

昨今現場発泡ウレタンの需要が増えている背景はこの辺りにあるのかも知れません。

でも、勘違いしないでください。

施工が容易だと言う事と、確実な施工が行われているという事は大きく違います。

仕上げてしまえば見えなくなってしまう部分の話です。

施工の様子を見せてくれる工務店もそれほど多くはないでしょう。

正しい知識を持たない為に起こる施工ミスや、施工不良が無いことを願うしかありませんね。

でも心配です。

表面結露・内部結露は瑕疵ではありません。

発生しても、無料で直してくれる訳ではありません。

経年変化による断熱材の収縮や性能劣化に対する保証もありません。

雨漏りで構造躯体が腐ったら瑕疵という事で直してくれますが、結露で腐っても知らんぷり・・・。

おかしいですよね。

 

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