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先日の『前先生のサマースクール(勝手にネーミングしちゃいました。)』でさらっとこんな文章が紹介されました。
どうやら昔の東大教授が書かれたものらしいんですが、お名前をわすれてしまいました。(申し訳ありません。)
誤った湿度感
人間は湿度に対してきわめて鈍感でほこりや臭気あるいは静電気とか材料の収縮などがないと20%ぐらいまで気づかない。
逆に汗さえかかなければ80%以上でも気づかない。
住宅で冬季結露防止上必要なら30%まで乾燥させても少しも気づかない。
空気調和設備を施すときも湿度は30%程度で支障ない。
日本では湿度50~60%が快適だとする誤った感覚があるが、これにこだわると設計を困難にすることが多い。
昭和38.2.7北海道北見市内鉄筋コンクリート造庁舎内における調査結果です。
一般事務室
室温23.0℃/相対湿度29%(絶対湿度5.1g/㎏DA)
特別事務室
室温25.0℃/相対湿度27%(絶対湿度5.3g/㎏DA)
所長室
室温25.5℃/相対湿度15%(絶対湿度3.1g/㎏DA)
上記の3室の世論調査の結果は、所長室にいて乾燥し過ぎと言い当てた者は一人も無く、ほとんど全員が事務室の乾燥を訴えた。
原因は臭いもしくは埃か。
また、湿度を高く評価する理由のひとつに湿度計の狂いがあるようだ。
また、2010年1月6日のNHK放送『ためしてガッテン』うるおいを我が家に!加湿器ウルトラ活用術
から、こんな記事を紹介しています。
暑くも寒くもない環境だと人は湿度を感知しづらい
専門家によると、人は空気の温度が高い状態だと湿度の影響を感じ取ることはできるが、実験で行われたような暑くも寒くもない環境だと湿度を正しく感知しづらいと言う事でした。
確かに、日本の夏の湿度の高い日はすごく湿度が高いと感じますし、北海道やアメリカ西海岸へ行ったりすると「暑かった。でもカラッとしていて気持ちよかった。」という感想を言ったり聞いたりすることは、皆一様なように思います。
ということは屋内のような空調の整った環境では、人間の感覚はあてにならないという事ですね。
番組では、学生さんたちが見事に湿度を外しまくっていたそうです。
「今日は蒸し蒸しする。」
「湿度が低くて気持ちいい。」
私自身、こうした感覚を年中覚えていますが、機器を使って測ってみると意外に正確で無い事がわかります。
経験を積み、湿度感覚を研ぎ澄ませたいと思ってはいますが、無理なんでしょうか・・・。
授業中、前先生も仰っていました。
湿度(空気中の水蒸気量)は温熱環境に大きく影響を与えるが、「絶対湿度は12g/㎏DA以下が良い。」とか決めつけるのはいけません。
温熱感や着衣量・活動量はみんな違います。
フレキシブルな対応が必要です。
大切なことは
身体全体で適度に放熱出来る事。
そして局所に不快が無い事。
局所不快の4要素は以下の通り。
①気流感(ドラフト)~風速を0.1m/Sに抑える。
②空気の上下温度差~頭とくるぶしの温度差を2℃に抑える。
③床表面温度~スリッパ履きの推奨温度は19~29℃。
裸足における適正床温度は、床材の熱伝導率が大きく熱容量が大きいほど熱流失・熱ロスが大きくなります。
絨毯床であれば、最適温度24℃。推奨温度は20~28℃。
オーク材床であれば、最適温度26℃。推奨温度は24.5~28℃。
コンクリート床であれば、最適温度28.5℃。推奨温度は27.5~29℃。
30℃を超えると低温火傷の恐れが高まります。
④放射温度の不均衡
熱い天井の温度差は5℃以内
冷たい天井の温度差は14℃以内
熱い壁の温度差は23℃以内
冷たい壁の温度差は10℃以内
がいいそうです。(思ったよりもあっていいんですね。)
最近、なにかと話題にのぼる『除湿』ですが、それだけに拘ると思った以上に増エネになるようです。
夏を旨とする家づくり・・・。
やっぱり大変ですね。
posted by Asset Red
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