グラスウールの低温下施工はおススメできません。

昨日のブログの続きです。

グラスウールは低温下では使用できない断熱材である。

びっくりですよね。

もちろん、以前から知ってはいました。

でも、理由は知らず・・・。

さっそく、調べてみました。

トーマス科学器械株式会社/営業部 TEL 03-3694-7771 / FAX 03-3693-6001 E-mail tms@tomasu.co.jp

恒温液槽を製作・販売している会社のようですが、その記事内にグラスウールに関する内容がありました。

弊社では次の2種類の保温材(断熱材)をその製品にあわせて選択し、安定した温度環境を実現する製品 づくりに取り組んでいます。

使用温度域が常温(※120℃)以上の恒温水槽・恒温油槽の場合はグラスウールを使用します。

グラスウール・・・ ガラスを繊維化して固めた空気をガラス繊維に閉じ込めることで 優れた保温性(断熱性)を実現します。

しかし、低温で使用するとグラスウールの中の水分が結露してしまい、 保温効果を損なうだけではなく電気的な不具合の原因にもなります。

このタイプの恒温水槽は、常温以下でご使用しないでください。 ※1 弊社では常温を 20℃前後としています。

使用温度域が常温(※120℃)以下を含む低温恒温水槽の場合は発泡ウレタン・ウレタンを使用します。

発泡ウレタン・ ウレタンはその内部に空気の泡を含む構造でグラスウール 以上に保温性(断熱性)が高く、水分の結露が起こらない ため、低温での使用にも十分効果を発揮します。 

 

でも、断熱材にグラスウールを使った冷蔵庫もありますよね。

冷たい水や空気を運ぶダクトの廻りに、グラスウールを断熱材として巻き付けているのを良く見掛けます。

どうやら、水蒸気の侵入を防止する『アルミ箔』等を使った防湿層が『鍵』のようですね。

結局、壁の中の断熱材が結露する『内部結露』と同じです。

水蒸気の通らない素材で『完璧』に包むことで、断熱材への水蒸気侵入を防ぐ。

つまり防湿・気密施工が伴わなければ、常温(20℃前後)以下での使用はあり得ない。

おかしく思いませんか?

昨日の『各種断熱材の使用温度範囲』もそうです。

設備業界では、はっきりと『グラスウールの低温使用時の注意』を謳っています。

そして、それに対する対策と対象製品を用意しています。

でも建築業界では、こうした話題が具体的に語られることが少ないと思われます。

温暖地における『防湿・気密シート』の施工は推奨されている程度で、必須条件にはなっていません。

カタログにも「防湿層付グラスウールを丁寧に施工してください。」とある程度。

こんなデーターがあります。

 

各種材料の透湿抵抗値を示したものです。

透湿抵抗値が大きいもの程、水蒸気を通しにくいことを表します。

例えばポリエチレンシート0.1mm厚は300、透湿防水シート0.2mm厚は0.4.

つまり防湿気密シートは、タイベックシートの750倍も水蒸気を通しにくいということ。

ちなみに防湿層付グラスウール50mm厚は20となっています。

ここで注目してもらいたいのは、アスファルトルーフィング。

()内に、材料自体・完全施工・雑施工とあります。

これ、屋根材の下に葺く防水シートなんです。

材料自体の透湿抵抗は300になっています。

でも、施工すると完璧な施工でも137、雑な施工では6でしかありません。

恐らく、防湿層付グラスウールや防湿・気密シートも同じでしょう。

雑な施工であれば、水蒸気の侵入を防ぐことができません。

透湿抵抗が6と言えば、ダイライトよりも大きいけれどOSBや構造用合板よりも低い値です。

つまりダイライトを使っていない限り、出口よりも入口の方が大きいという事。

内部結露が一向に減らないどころか増え続けているのは、この辺りが起因しているのでしょう。

やはり、気密性能測定は必要ですね。

だって、施工の良し悪しによる透湿性を確認する術が他にはありません。

気密性能=防湿性能ではありませんが、これを測定することで、防湿性能をある程度確認することが出来ます。

C値が悪い家は、水蒸気が壁内に侵入しやすい家です。

構造用合板やOSBを外壁に張っていたら、尚更結露の危険性が増すでしょう。

あなたの家は大丈夫ですか?

 

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