フレームの太さ

窓の断熱性能は面積の大部分を占めるガラス性能に大きく依存します。

L社のように、サッシ(フレーム)の見付け巾を細くしてガラスの面積を大きくすることで窓としての断熱性能向上を図っている製品もあります。

フレームを含む窓面積に対するガラス部分の面積の比率を『ガラス面積率』とすれば、これは断熱性能に加え日射取得量にも影響します。

日射取得率がガラス面積率に比例するとすれば、ガラスの日射取得率が同じでもそれが大きいほど、住宅の暖房・冷房の合計負荷は少なくなるはず。

実際のガラス面積率は、サッシの種類や躯体への納め方によって異なります。

また開口面積が小さい程ガラス面積率も小さくなり、小窓では窓の面積の2/3程度がフレームになる場合もあります。

断熱性能・採風のしやすさ・意匠性などに加え、ガラス面積率も窓の着目すべき性能のひとつでしょう。

上グラフでは、フレームの見付け巾がない場合を100とし、それぞれ以下のように仮定しています。(掃出し窓のような大型窓/その他)

細い・・・88/88

標準的・・・80.1/80.1

太い・・・72/67

ガラス面積が大きくなるほど暖房負荷が小さくなり、冷房負荷が大きくなります。

暖房負荷の最大差は1.9GJ、冷房負荷の最大差は1.3GJ。

年間光熱費(25円/KWh)で比較すると、暖房費4867円、冷房費3330円となります。

日射遮蔽を行わなければ、フレームの細い窓の方が省エネなんですね。

あくまでも断熱性能が同じであれば・・・。

フレームの細い窓を採用する際には、より日射遮蔽部材の検討が必要になるようです。

算出条件は以下の通りです。

外皮仕様

窓:熱貫流率4.65w/㎡・K(付属部材なし)

躯体:H25省エネ基準相当(6地区)

暖冷房

居室間歇運転(省エネ基準一次エネルギー消費量算出用スケジュールとし、冷房においては一部実態アンケートに基づく)

住宅モデルはAPPENDIX1を参照しています。

建築技術 刊

HEAT20 設計ガイドブック+PLUS

より抜粋しました。

 

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