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今日の練馬・板橋の温度はそれほど高くありません。
気温31.1℃、相対湿度68.2%。(絶対湿度19.5g/㎏DA)
湿度が結構高いせいか、不快指数は82.7になっています。
暑さにもようやく体が慣れたのかもしれません。
弊社近くのリフォーム現場
今日は『吸音対策』としてセルロースファイバーの吹込み工事を行っています。
この工事、ブローイングマシンという専用の機械で綿状の断熱材を吹込むため『ブローイング』とも言います。
一般的なマット状の断熱材よりも早く簡単に断熱施工を行うことができるのが特徴です。
セルローズファイバーは天然の木質繊維を使った断熱材。
今回は、日本製紙木材㈱のスーパージェットファイバーを採用しました。
主原料は、新聞店などで売れ残った新聞をリサイクルしたもの。
限りある資源を有効利用し、環境への負荷を極力おさえるサスティナブル(持続可能)な社会にマッチした断熱材なんです。
この袋に15kgの断熱材が詰まっています。
これを計15袋使いましたから、総重量は225㎏。
2.8~3.4年分の新聞紙に相当するそうです。
こんな風に、道路に停めたトラックから長いホースを使って施工します。
直径100mm程度のホースを使っていました。
2階床の床材を所々剥がし、そこから階間部に木質繊維を充填します。
まずは、床板を剥がした部分に不織布を張る作業からスタートします。
断熱材として使う場合には室内側に防湿フィルムを張りますが、今回は不織布です。
充填した繊維がこぼれたり、飛散したりしないようにするのが目的のため、防湿性は必要ありません。
繊維系断熱材の代表であるグラスウールやロックウールと比べると、セルローズファイバーは吸放湿性が非常に高い断熱材です。
防湿フィルムを使わなければ、かなりの量の水蒸気を吸ったり吐いたりして、室内空気の湿度調整をしてくれると思います。
びっくりする位、ステップルで固定しています。
「充填の際の圧力が大きいから、しっかりと留めておかないと・・・。」
作業している方が言っていました。
さあ、いよいよ充填作業開始です。
不織布に十文字に切れ目を入れ、そこにホースを突っ込みます。
ホースに沿えた手で向きを変えつつ、繊維を吹き込んでいきます。
切れ目からは、細かい粉が噴出していて辺りは粉だらけ。
吹込みが終わると、こんな感じです。
周りの繊維を塵取りで集め、穴の中に押し込み、一旦気密テープで塞ぎます。
手に持っている携帯電話のようなものがコントローラーのようです。
これを押すとトラックの荷台にある機械が作動して、ホースから繊維が吹出してきます。
不織布を開けて、中を覗いてみました。
下階天井板の上から床根太まで繊維がいっぱい詰まっていました。
でも、意外に隙間が多いんですね。
根太の上端まで10cm以上開いています。
一通り充填を終え、不織布の穴にテープを貼り終えると、作業員が新しい部品を持ってきました。
どうやら、ホース先端に取付けるアタッチメントのようです。
これを取付けて、再度充填開始。
今度は、不織布がパンパンになる位に入れています。
昨日の現場発泡ウレタンのように、反応熱が出る訳でもありません。
養生さえしっかりとしていれば、窓を開けて施工することも可能です。
ブローイング工法の方が、作業環境は相当良いですね。
夏向きだと思います。
ウレタンと違って付着した粉は、はたけばすぐに取れるし・・・。
メーカーの施工動画を貼っておきます。ご興味のある方はご覧ください。
折角ですから、少しだけセルローズファイバーの優れた点をご紹介しましょう。
セルロースファイバーは吸音材として優れた性能を持っています。
隙間のできない施工によって、外からの騒音だけでなく、中から外へ逃げるプライベートな音も和らげます。
「隣のオーディオの音がうるさい」
「自動車の騒音で夜も眠れない」
「ピアノの音が近所迷惑じゃないかしら」
など、音の遮断効果をあげるに最適です。
音は繊維のように多孔質な物の中に入れると、繊維と繊維が激しく振動して摩擦の熱エネルギーに転換されます。
これが『減音』という効果をもたらします。
50~100mmの施工で吸音材の役割を十分に発揮するでしょう。(今回は300mm近い施工を行いました。かなり期待できると思いますよ。)
また音源に一番近い部位に施工するため、床の太鼓現象を防ぐことも出来ます。
太鼓現象とは・・・
太鼓は、叩いた側より反対側により大きな音が響きます。
これは、叩いた音源から音が空気層を伝わり音を広げるためです。
しかし、叩いた面に触れていれば、音の伝わりは少なくなります。
まだまだあります。
難燃剤としてホウ酸を添加している為、炎を当てても表面が炭化するだけ。
万が一火災が発生しても、延焼を遅らせることが出来ます。
ホウ酸のおかげで、シロアリや木材腐朽菌の繁殖にも一定の効果が期待できるようですね。
専門業者による責任施工というのも魅力のひとつだと思います。
FPの家でも、天井に限って採用している断熱材です。
熱伝導率はそれほど良くありませんが、吹込む厚さを大きくすればFP遮断パネルを凌ぐ断熱性を得る事が出来ます。
適材適所、大切なことだと思います。
posted by Asset Red
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