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『第1種換気システム(全熱交換型)にヒートポンプ式冷房・除湿装置を装着して、家全体の除湿を行おう!』
と言う提案について考えてみました。
除湿にどの位の時間が必要なんだろう?
今回、このシステムを提案した建物の容積はおよそ410.58㎥。
まずは空気の重さを計算してみます。
気体22.4リットルの時の質量はその気体の分子量に『g』をつけたものになるそうです。
酸素分子(O2)は、分子量32。
よって、22.4リットルで32gになります。
窒素分子(N2)は、分子量28。
よって、22.4リットルで28gになります。
空気のように複数の気体が混合されている場合は、その構成比によって質量が決まるそうです。
他の気体は構成比率が小さいので無視して、空気の構成比を窒素80%/酸素20%と仮定すれば22.4リットルの質量は
28g×80%+32g×20%=28.8gになります。
これは22.4リットル時の質量なので、1リットル時の質量は
28.8g÷22.4リットル=1.285714・・・。
乾燥空気の質量は大体1.3g/ℓになる事が判りました。
建物全体の空気410.58㎥に1.3gを掛ければ、空気の質量を求める事が出来る訳です。
1㎥は1000リットルですから、410.58㎥は410580リットルになります。
建物内の乾燥空気の質量は、410580リットル×1.3g=533.75㎏。
結構すごい質量ですね。
昨日の朝の弊社駐車場の空気は、気温:26.4℃/湿度:78.3%(絶対湿度:17.0g/㎏DA)でした。
空気に含まれる水蒸気の重量を表したのが絶対湿度です。
乾燥空気の重量が533.75㎏ですから、これに17gを掛ければ建物の空気中の水蒸気量が算出できます。
答えは9.07㎏になりました。
水1リットルの時の質量が1㎏ですから、およそ9.1リットル分の水に相当します。
除湿装置の能力は、説明書を読むと1.7リットル/hになっています。
9.1リットルの水蒸気であれば、5.3時間余りで除湿してしまいます。
さすがに絶対湿度『0』は無いですよね。
快適な絶対湿度は12g/㎏DAと言われています。
であれば、17g/㎏DAから12g/㎏DAを差し引いた5g/㎏DAを除けばいい事になります。
5g×533.75㎏=2.6リットルになりました。
これならば、1時間半ほど稼働すれば事足ります。
でも、2時間に1回の割合で室内空気は外気と入れ替わってしまいます。
結局、ずーっと回しっ放しになるんでしょうか?
今回採用予定の換気システムには、回転型全熱交換器が組み込まれています。
図のように、排気側と給気側をセパレートしたケーシング内でハニカムロータが毎分十数回の速度で回転する構造です。
構造原理的には回転型顕熱交換器と同じですが、ハニカムロータに吸湿性を持たせ、湿度交換も同時にできるようにしていることが異なります。
冬期の例で原理を説明すると、呼吸により二酸化炭素が増え、換気の必要な暖かな湿った室内空気を全熱交換器の排気ゾーンを通過させることによって、排気する空気に含まれる全熱(顕熱と潜熱)がロータに蓄熱され、排気は冷却減湿されて屋外に排気されます。
一方蓄熱したロータは給気側に回転し、給気ゾーンに取り入れた外気が、ロータ内を排気と対向する方向に通過すると、外気はロータに蓄えていた全熱を受け取って、暖かく湿った空気となって室内に給気されます。
夏期の場合は、換気の必要な冷たい低湿度の排気を、同様の作用で全熱交換し、高温高湿度の外気を予冷減湿して室内に給気します。
従来の顕熱タイプに比べれば半分くらいの除湿・加湿に必要なエネルギーで済むでしょう。
除湿に必要な消費電力が判れば、電気代を算出する事が出来ます。
東京電力のスマートライフプランの場合
午前1時~6時までの5時間は17.46円/kwh
それ以外の時間は25.33円/kwh
それぞれの単価を消費電力×運転時間に掛けるだけ。
カタログには、載っていませんでした。
早速、メーカー担当者に聞いてみようと思います。
一般的には、室温を下げる方が湿度を下げるよりも安上がりに済む事が多いんです。
でもエアコンだけで絶対湿度12g/㎏DAの環境をつくるのは非常に難しいと思います。
冷水をつくる方が、空気の温度を下げるよりもさらに消費電力は大きいと思うし・・・。
健康・快適な室内空気環境をどこまで省エネに出来るのか?
電気代の事を考えつつ快適さを調整することが出来るのも、このシステムの良いところですね。
その後、メーカーから回答が来ました。
やはり終日稼働を原則とし、能力調整で除湿量を調整するのが一般的なようです。
posted by Asset Red
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