温故知新

今日はアセットフォーの定休日。

いよいよ夏休みも、終わりですね。

必死になって宿題を片付けている子供達と親御さん、たくさんいるんでしょうね。

お疲れさまです。

今日は、こんな文章をご紹介したいと思います。

人の感じる寒暖の感覚を、数値に表せると大変便利である。

このことについて早くから研究していた学者がいる。

この人はアメリカの環境学者、ヤグロー博士である。

ヤグローの考え方は、今知ろうとする部屋の温度感覚を、これと全く同じに感じられる湿度100%の無風状態の部屋の中での温度で代表させようといった着想のものである。

そしてこのようにして求められた温度を有効温度と呼び、かなり多くの人に対して行ったと言われている実験の結果、図のようなグラフを提案している。

この値を求めると、室温が摂氏19度から24度程度ならば、その部屋は快適なはずである。

しかし、このようなむずかしい温度を使わなくても、普通では温度18~20℃、湿度60%の時が1番快適とされている。

なおこの温度は、冬、女性が洋服を着替えるのに寒くない限界の環境であるともいわれている。

これ、今から43年前に書かれた本の中から抜粋したものなんです。

住まいの人間工学

宇野英隆 著

鹿島出版舎 刊

当たり前の話なんでしょうけど、こんな昔からこんな話を書いた本が読まれていたんですね。

しかも産経新聞の日曜日の夕刊に連載されていたって言うんですから、驚きです。

図を見ると着衣量や活動量の設定があったりして・・・。

当時の読者はこれを読んでどう感じていたんでしょうか?

図を解説した文章を見つけました。

乾球温度25℃、湿球温度25℃、無風時の体感温度はもちろん25℃である。

湿球温度が20℃に低下すると(このときの相対湿度58%-乾湿寒暖計はDIKで500円で売っている)、体感温度は23℃になる。

これに風速2m/sが加わると、体感温度はさらに20℃に低下する。

図のこのエリアは、汗ばんだ皮膚は適度の風速を要求するという日本人の経験則を、実に的確に図式化している。

おしぼりで汗を清水に変えれば、なお快適である。

もちろん、湿度100%のときは風はまったく涼感を呼ばない。

気温が体温を超えるゾーンでは(あじのしっぽの辺り)、風が吹くとむしろ暑い。

砂漠地域は湿度が極度に低いので、風を避けていても汗は乾き、人は生きていられるのであろう。

最近の発見。

気温5℃以下のゾーンでは風は体温低下を引き起こす危険要素となり、この場合には乾燥空気の方がむしろ温かい。

というところまで、ヤグローの図は面倒を見ている。

環境工学がヤグローを教えないのはよくない、と思いませんか。

これ、広島女学院大学灰山彰好先生が書いたブログから抜粋させていただきました。

環境工学を学んだことのない私は、ヤグローなんて方、知りませんでした。

有効温度という言葉は知っていたけど、こんなに深いものだったとは・・・。

ずいぶん昔の本だけど、じっくりと読んで見ようと思います。

 

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posted by Hoppy Red 

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