事故から学ぶ防水と劣化対策

今日と明日はアセットフォーの定休日。

暑くなるそうですね。

もうそろそろ夏も終わりです。

うれしいような寂しいような・・・。

昨日、参加した

『防水・劣化対策セミナー』

で、思ったことを書きたいと思います。

木材が腐るとは、『木材腐朽菌』が木材内部で繁殖する事。

その為に必要な要素は、上のスライドの通りとなります。

栄養となる木材があって、水分と適度な温度と酸素がある環境に腐朽菌が加われば『木は腐る』訳です。

 適度な温度とは、3~45℃。30℃前後が最も適しているようです。

大気中の湿度が85%以上。木材の含水率が25%以上で発生条件が整います。

空気が無ければ木は腐りません。

木材腐朽菌は土の中や空気中のどこにでも普通に存在する菌であるため、木材周辺からこれを完全になくすことはほぼ不可能。

つまり、私達がコントロールできるのは水分くらいしか無いことになります。

結論

木を腐らせないためには

①濡らさない

②木材腐朽菌を殺す

の2しかありません。

②の対策が、防腐剤の使用であり、防腐処理ということになります。

そして①の対策が色々と大変なんですよね・・・。

1.木材の初期含水率を下げる。

2.工事中に木材が濡れる事を避ける。

3.雨漏りを避ける。

4.内部結露を避ける。

1は簡単です。

天然乾燥材やKD材(人口乾燥材)・構造用集成材を使えば良い。

耐腐朽性を高める目的で防腐剤を注入した木材を使用する場合にも、含水率をよく確認する必要があります。

2は、とにかく雨養生が大切。シート養生を徹底して濡れないことに注力しましょう。もちろん、工程管理が重要です。

3は、当たり前ですよね。

でも、未だに雨漏りによる瑕疵保険の利用が後を絶たないそうです。

JIOの住宅瑕疵研究室の方の報告によれば、軒ゼロ・片流れ・金属屋根・キューブ構造の建物の雨漏りが統計上危ないそうです。

これって、デザイン系の建築士がつくる『流行の建物』ですよね。

工務店の実力が求められているようです。

この本、JIO住宅瑕疵研究室が製作しています。頒布価格は380円となっています。

手のひらサイズで持ち運びに便利だし、是非お買い求めください。

こんな感じに、防水施工のポイントをわかりやすく説明しています。

セミナー当日も、実際の事故現場の映像を沢山見せてくれましたが生憎全て撮影NGでした。

そりゃそうですよね。

建物の特定が出来れば、施工した工務店やハウスメーカーの面目は丸潰れです。

4については割愛します。

ただひとつだけ、書かせてください。

結露による被害は減るどころか増え続けているそうです。

恐らく氷山の一角だと思います。

何故なら、現在の高断熱住宅の多くは『気密・防湿』施工の無き高断熱住宅だから・・・。

通気層工法を採用し、以前北海道で起きた『ナミダタケ事件』ほど酷いことにはならないと思うけど。

袋入りの繊維系断熱材が販売されているようでは、改善されるはずもありません。

国交省が気密・防湿施工の重要性を、もっと本気で伝えなければ、被害は拡大し続けることでしょう。

欧米では、常に断熱と気密・防湿はセットで考えられています。

繊維系断熱材であれば、これに防風が加わります。

せめて瑕疵と認めてくれれば・・・。

結露によりシロアリや木材腐朽菌が繁殖すれば、躯体の安全性は著しく低下します。

構造耐力上主要な部分は瑕疵の対象となりますが、原因が結露であれば保険は適用となりません。

雨漏りと偽るしかない・・・。

こんなのアリ?

家を購入された方

家に住まわれる方

の快適性・安全性を無視してまで、結露による木材劣化対策の重要性を訴えない国交省の対応は不思議でなりません。

 

 

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posted by Hoppy Red 

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