ロックウールの営業マン

先程、ロックウール断熱材メーカーの営業が弊社に飛び込みで来られました。

弊社のホームページをご覧になった上での飛び込み営業との事。

初めから少し腰がひけていたように感じました。

でも、せっかくの機会です。

ロックウール断熱材の事を色々と教えて頂きました。

前回、発泡プラスチック系断熱材(以下、発プラ系)メーカーの方が来られた時に感じた思いは今回も同じです。

発プラ系メーカーと繊維系断熱材(以下、繊維系)メーカーは競合相手だと思っていたのに、お互いにとっての競合相手は同じ繊維系や発プラ系である事が意外でした。

だから、メリット・デメリットを比較する対象もそうなります。

発プラ系は発プラ系同志の比較対象を行い、繊維系は繊維系同志の比較対象を行います。

よって今回提示されたデーターも、繊維系同志のものでした。

ロックウールと他の繊維系断熱材16K(間違いなくグラスウールですよね。)を

①電気炉を所定の温度(600℃および700℃)で温度保持し

②上図のように各断熱材をセラミック板上に置いて、電気炉に入れ、所定時間経過後に取り出し、空冷後写真撮影

したものとなります。

写真を見ると、600℃5分経過時点ですでに両者の差は明白です。

700℃10分経過時点においては、その他の繊維系断熱材16Kはほぼ形を残していません。

加熱温度による厚さ方向の変化率を示すデーターです。

あまりにも差があり過ぎて、呆れてしまいました。

「これって、断熱材自体の比較ですよね。」

「?」

「袋入りの断熱材を躯体に留め付けた状態で熱を加えたら、どんな事になると思いますか?」

「バインダーや袋はすぐに溶けてしまい、躯体から脱落しませんか。」

「グラスウールやロックウールという素材自体の話ではなく、袋入り断熱材としての耐熱性能はどうなっているんですか?」

「素材自体の性能しかありません。

「躯体から脱落すれば、断熱材による性能差は関係ありません。」

「発プラ系の断熱材の方が、袋よりは燃えにくいですよね。」

「いざという時は、袋入り断熱材の方が早く燃えるんじゃないの?」

「そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。」

「・・・。」

ロックウールのカットサンプルを水に6時間浸した実験です。

グラスウールと違い、吸水性の低いロックウールは押え板を外せば浮かんできます。

100mm×100mmにカットした断熱材を水面下に24時間浸し、傾斜角30°の金網に置いた時の吸水量の経時変化を比較しています。

こちらは温度50℃±2%かつ湿度50%±2%の状態で調湿後、90%±2%の状態を保持し重量変化を比較したデーターです。

どちらのデーターも、ロックウールの吸水性の低さを示しています。

弊社では天井断熱の場合にセルローズファイバーを採用していますが、断熱性能や吸湿した際の断熱性の低下率もロックウールの方が良いんですよね。

環境性能はセルローズファイバーの方が良いようですが、ロックウールもグラスウールほど悪くはありません。

でも、袋入りタイプしか取扱いが無いそうなのでお引取り願いました。

北海道ではロックウール圧送や吹込みが主流のようですが、関東ではまだまだ一般的ではありません。

吹込みロックウールであれば、もっと詳しい話を聞きたかったのですが・・・。

戴いたカタログを見て、びっくりしました。

色々な事が書いてあって、まるで教科書です。

自立循環型住宅の事、ZEHの事、断熱施工の基本的な事。

時間をかけて、じっくりと読んでみたいと思います。

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