繊維系断熱材と防湿層

繊維系断熱材を採用する際には、断熱材の『防露性』を確保するために室内側に『防湿層』が室外側に『透湿・防水・防風層』を設けることが必要です。

防湿層は以下の②以上の性能を求められているため、選定に当たっては注意が必要となります。

①透湿抵抗:60㎡・hmmHg/gもしくは0.029㎡・s・Pa/ng 防湿フィルムの材厚15㎛以上の物

②透湿抵抗:170㎡・hmmHg/gもしくは0.082㎡・s・Pa/ng 防湿フィルムの材厚50㎛以上の物(JAS A6930に規定するA種と同等以上の透湿抵抗を有する物)

③透湿抵抗:300㎡・hmmHg/gもしくは0.144㎡・s・Pa/ng 防湿フィルムの材厚100㎛以上の物(JAS A6930に規定するB種と同等以上の透湿抵抗を有する物)

本来であれば、別張りシートと呼ばれる製品を断熱材の内側に切れ目なく連続させて張るのが基本です。

また、防湿フィルムの継手は石膏ボードもしくは乾燥木材で押えなければなりません。

でも関東近県においては、下図のような付属防湿フィルム付断熱材(耳付き)を使うのが一般的。

先述の②に該当するため、施工マニュアルに従った施工をすれば問題ないそうです。

ていねいな施工をしないと、半分の性能も出ない場合があります。

安価な分、施工に配慮が必要な断熱材と言えるでしょう。

図面下側(耳がついている側)が室内側になります。

室内側のフィルムで、断熱材への水蒸気の侵入を防ぎます。

そして反対側のフィルムには穴が開いています。

フィルムを透過した水蒸気を速やかに排出するためのものとなります。

ですから。裏表を間違えてはいけません。

繊維系断熱材は安価ですが、それほど断熱性能の高くありません。

必要性能を確保するためには、重ねて施工し厚みを増す必要があります。

例えば天井です。

上図のように、2枚重ねることが多いようですね。

施工の際には、注意が必要です。

上側の断熱材の防湿フィルムは、剥がすか穴を開けて水蒸気が通るようにしないといけないんです。

そうしないと、下側の断熱材に侵入した水蒸気が上側の防湿フィルムで結露することに・・・。

でも、こんな施工見たことありません。

上の断熱材と下の断熱材の方向を直交させるように施工することも大切です。

 施工する大工さんや、それを管理する現場監督の知識・技術も大切です。

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