UA値とηAC値と一次エネルギーの関係

昨日に引き続き

HEAT20賛助会員情報交換会IN広島

の資料から記事の一部をご紹介します。

8月に行われた交換会ですから、話題は夏の総括り的になっています。

今回のネタも昨日の続きみたいなものですね。

HEAT20では6地域において、ηAC値の推奨水準を2.8にしています。

6地域ですから、東京と読み替えても良いと思います。

ηAC値(冷房期の平均日射取得率)とUA値(外皮平均熱貫流率)と冷房一次エネルギーの関係を示したグラフです。

ηAC値が大きくなると(日当たりが良くなると)外皮性能に関わらず冷房エネルギーは増えます。

UA値が小さくなれば(外皮性能が高くなれば)冷房エネルギーは減りそうですが、そうではありません。

推奨値2.8の場合、H28基準の方がG1・G2グレードよりも省エネになるんです。

それどころか、推奨値2.8の場合はUA値が小さい程省エネになることがグラフに表れています。

ηAC値と基準一次エネルギーおよび基準一次エネルギーより10%減となるためのUA値を示したグラフです。

基準一次エネルギーとはH28基準を指します。

基準一次エネルギーより10%減と言えば、低炭素基準およびトップランナー基準にあたります。

たとえばηAC値が2.4の時UA値を0.56位にすればH28基準になりますが、UA値を0.9位にしないと低炭素基準になりません。

つまり、陽当たりを良くするならば外皮性能(断熱性能)を落とさないと冷房エネルギーが嵩むということです。

「省エネにしたければ、断熱性能を落としなさい。」ということです。

でも、断熱性能を落としたら冬は寒いですよね。

「断熱性能を落とさないんだったら、陽当たりを悪くしなさい。」

陽当たりを悪くしたら、冬勿体ないですよね。

日射は天然のヒーターです。電気代はかかりません。

冬はありがたいけど、夏はいりません。

なんだか、ムシのいい話ですよね。

まさに良いとこ取りです。

庇や外付けブラインドなどを有効に使って夏の日差しを遮蔽し、冬はこれらを調節することで日射を取得する。

有効な風(室温よりも低く、湿度の低い風)を併用することで、より冷房エネルギーの削減を図ることができます。

通風なし・日射遮蔽強化のない家はUA値1.5を下回った辺りから冷房エネルギーが増えていますが、通風や日射遮蔽の強化を図った家ではUA値が下がるほど冷房エネルギーも下がっています。

結論です。

夏涼しい家を作る為の設計手法は、

①外皮の断熱

②日射遮蔽

③通風計画

④高性能設備の選択&運用

が重要です。

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