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昨日、FPコーポレーションの取締役技術開発部長が弊社を訪ねてくれました。
以前に依頼していた『11年前のFP壁パネル』の物性試験の結果を持って来てくれたんです。
でも、結果は測定不能でした。
依頼時にも、言われていたんですよね。
試験体のサイズが規定寸法に足りていないため、測定出来ないかもしれない。
色々と工夫をしてくれたようですが、やはり測定できなかったとの事。
非常に残念です。
また機会があればチャレンジしたいと思います。
でも、色々な話を聞く事が出来ました。
弊社事務所から近くの居酒屋に会場を移し、遅くまで喧々諤々。楽しく過ごす事が出来ました。
ありがとうございました。
弊社が採用しているFPパネルは木枠付硬質ウレタンフォームです。
発泡プラスチック系断熱材(以下、発プラ)に分類されています。
一般的な硬質ウレタンフォームと製法自体は変わりありません。
でも、木枠と表面のクラフト紙の内側『6面』全てにスキン層が存在する稀有な断熱パネルです。
一般に流通しているボード状の断熱材は大きな板を製造し、これを決まった大きさにカットしています。
だから小口4面にスキン層がありません。
ちなみに、似たような断熱パネル『リクシル・スーパーウォール』の場合、パネルの上部および下部に木枠がついておらずスキン層がありません。
この違いが大きいんですよね。
発プラメーカーが行う物性試験は、硬質ウレタンのスキン層をなくした状態で行うケースが多いように思います。
なんか悪意を感じちゃうんですよね。
スキン層の有無は、経年による断熱性の低下や透湿性に大きく影響します。
ですから切断面を持つ発プラ系断熱材は、経年による断熱性能の低下が起こりますし、水槽につければ水を含んでしまいます。
でも、スキン層を保っているFPパネルはこうした事が起きにくくなっている訳です。
その証拠が17年前に建てられたモデルハウスを解体した時に採取したFPパネルの物性試験データーです。
熱貫流率は新品時と全く変わっておらず、断熱材内の湿度も適正でした。
木枠との接着力の低下も見られず、収縮もありません。
こんなデーターを弊社も欲しくてお願いした『今回の試み』は成功しませんでした。
でも、技術畑の代表者にスキン層の大切さを聞けたのは大収穫でした。
FPパネルの良い所は、6面全てにスキン層を持つ硬質ウレタンフォームである事。
よって巷で発売されている硬質ウレタンボードとは似て非なるものとなります。
もちろん、現場発泡ウレタンとも違います。
時間が経てば経つほど性能が下がる『その他大勢』とは違い、性能が変わりません。
住宅の断熱・気密性能は新築時がmaxで、その性能はどんどん低下します。
だから両者の性能差は経年により大きくなる訳です。
素晴らしい断熱パネルですよね。
しかも自己接着性のお蔭で木枠とウレタンがガッチリくっ付いていて、木枠部分を構造躯体にしっかりと留め付ければ、耐力壁にもなります。
ウレタンのお蔭で制振効果もあるそうですよ。
木枠を躯体に木ネジで留めておけば、リフォームの際に再利用することも可能です。
もしかしたら、建替え時に再利用する事が可能かも・・・。
発プラ系断熱材は、製造時のエネルギーが大きいため環境性能が悪いと言われています。
でも、再利用が出来ればむしろ環境性能高いですよね。
お話する事は出来ませんが、FPパネルに関する今後の方向性を聴くことが出来たのも大収穫だと思います。
お話できる日が早く来るといいなぁー。
posted by Asset Red
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