今日はアセットフォーの定休日。
昨日に引き続き、先日のセミナーの話となります。
今回のテーマは、筋違部分の断熱施工です。
繊維系断熱材と言えば、なんと言ってもグラスウールでしょう。
一般的に使われているのは、防湿フィルムがついているタイプ(耳付き)です。
こんな外観をしています。
断熱材がスッポリとフィルムで包まれていて、部屋側に留め付け用の耳がついています。
室内側のフィルムは防湿フィルム。
水蒸気を通しにくくなっています。
そして反対側のフィルムには穴が開いています。
断熱材の中に侵入した水蒸気を逃がすための穴になります。
だから、裏表を間違えてはいけません。
そして、防湿フィルムを貼っていないタイプの断熱材は、こんな外観をしています。
グラスウールと言えば『チクチク』するもの。
という固定概念が私にはあります。
苦手なんですよね、あのチクチク。
こんな裸のグラスウールを使ったら、チクチクして堪らない・・・。
ついつい思ってしまいます。
でも大丈夫なんです。
最近のグラスウールはチクチクしないんです。
繊維が細いからチクチクしないそうです。
えっ!
それじゃー、アスベスト(石綿)のように吸い込んで肺の中に刺さったりするんじゃないの?
中皮腫になったりしないの?
問題ないそうですよ。
コーヒー程度の危険しか無いそうです。
この上に、別張りシートを貼って防湿層を形成します。
北海道では、このタイプがほとんどらしいですね。
ちなみに耳付きタイプを使っている国は少ないそうですよ。
これらの断熱材を、現場に合わせて丁寧に施工する事が重要です。
ここでは、耳付きタイプの施工についてご紹介しましょう。
例えば、筋違廻りの場合はこんな施工を行います。
①断熱材に付いている防湿フィルムを剥がします。
②筋違の後ろを通して裏側に断熱材を充填します。
③筋違に沿って断熱材に切り込みを入れ、押し込まれている断熱材を筋違と同面になるように盛り上げます。
④剥がした防湿フィルムを被せ直して、タッカーで柱・間柱の見付け面に留め付けます。
⑤防湿フィルムの下端は30mm以上伸ばしておき、床合板に留め付けます。
なお片筋違の場合、筋違を外壁側に配置すると、断熱材がきちんと納まっているかどうかの確認ができません。
筋違の配置にあたっては、内側になるよう配慮が必要です。
また襷掛け筋違の場合は、断熱材の施工不良が生じやすくなるので、面材耐力壁に変更するか、他の位置に片筋違を配置するようにしましょう。
図のように、剥がした防湿フィルムの代わりに別張りシートを貼るのも良いでしょう。
こうしてイラストや写真を見ているだけではわかりませんが、ここで要求されている施工は大変面倒な施工です。
住宅省エネ技術研修で、これを初めて知った時には
「えっ、こんな施工を本当にしてるの?」
と思わず口に出してしまいました。
その時、廻りにいた人達も
「こんな施工、誰もやってないよね。」
なんて呟いていたのを覚えています。
フィルムを剥がすのはたやすいことです。
そして、断熱材を筋違の裏に取付ける。
これも、問題ありません。
筋違に沿ってカッターナイフで切り込みを入れる。
その時の切り込み深さは筋違の厚さ分となります。
そして、筋違際の断熱材が筋違よりも凹んでいる場合は、それを平らに戻す作業が必要になります。
これが面倒です。
でもグラスウールは上図のように、丁寧に施工しないと性能が発揮できません。
面倒でも、ちゃんと施工するのが鉄則です。
それなのに、鎌田先生はセミナーの中でこんな事を言っていました。
上のイラストが今説明していた部分です。
一般的には、下のイラストのような説明がなされています。
当然だと思います。
「よく見掛けるけど、こんな面倒な施工は必要ありません。」
「気流止めがなければ、この空隙を冷気が通り壁体内温度を下げてしまいます。」
「でも気流止め施工がしっかりと出来ていれば、問題ありません。」
「断熱性能は下がるけど、たいしたことない。」
塵も積もれば山となるって言うじゃないですか。
本当に大丈夫なんでしょうか?
外側に付加断熱する場合に限り、やっても良い。
と判断させていただきます。汗
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posted by Hoppy Red
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