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エアコンの入替え工事の様子を見にいった折り、ご主人様と少しだけおしゃべりをする機会をいただきました。
私が入社する前に建てられたお客様ですから、お話する機会はほとんどありませんでした。
建物についても、残された設計図書の範囲でしか把握できていません。
基本的な部分(高断熱・高気密・計画換気)はそれほど変わっていませんが、細かい部分は変わっていますから、ご主人と話すにも注意が必要です。
いい加減な解答をするわけにはいきません・・・。
ご主人のお話は大変、参考になりました。
例えば、階上音対策。
気密性の高い家ですから、外の音があまり入りません。
静かで良いのですが、その分階上音が気になるそうです。
これ、現在も弊社の課題となっています。
ネダノン合板の上に制振ゴムを敷き込み、天井裏に吸音材を敷き込む。
当時から今に続く施工方法です。
より音に配慮する場合は、天井の石膏ボードの下に制振ゴムを貼り付けた石膏ボードを重ね貼りしたに、天井野縁を防振タイプに変更しています。
「こんなに気になるとは思わなかったよ。」
「周りの音が聞こえない分、家の中の音がうるさく感じるとは聞いていたんだけど・・・。」
おそらく当時は、今ほど現場見学会も行っていなかったんでしょうね。
見学会に来て頂ければ、階上音を実際に聞いていただけます。
これで満足いただけなければ、より配慮した施工方法を提案できる訳です。
建具や床材が突板貼りやシート貼りと知って残念だった。
とも言われました。
当時の家は、今と違いそんな仕様が当たり前だったのかもしれませんね。
「今は、自然素材を推奨しているんですよ。」
と言うと
「床材・木製建具を交換する工事は大変なのかい?」
と尋ねてきました。
結構、大掛かりになります。
家に居ながらのリフォームだと、何かとストレスが堪るかもしれませんね。
さすがに17年も経つと、シートは剥がれ、膨らみ、床もあちこちが傷んでいます。
無垢材なら、こんな事にならないのに・・・。
「屋根はそろそろ何かした方がいいのかな?」
外壁は乾式タイルになっています。
目地の無いハンギングタイプですから、きれいなもんです。
当分メンテナンスの必要はないでしょう。
でも、屋根はコロニアルです。(ゼロアスベストではなく、ノンアスタイプだと思われます。)
そろそろメンテナンスが必要でしょう。
塗り替えるのがいいのか、ガルバを上に葺くのがいいのか。
コロニアルを撤去すれば、余計な廃棄費用が掛かります。
でも上に葺いてしまえば、野地合板の傷み具合を確認する事ができません。
悩みどころです。
樹脂製の雨樋も、傷みがきています。
現在採用しているアルミ樋だったら、こんな事ないのに・・・。
破風板や軒天だって板間のシールを打ち直し、塗り直さなければなりません。
急勾配屋根の3階建てですから、屋根足場+足場で結構な金額が掛かるでしょう。
結局外部のメンテナンスは、一番早く劣化する仕上げ材に合わせて行う羽目になります。
全ての仕上げが均一に劣化すればいいけど、そうでない場合は、その都度メンテナンスを行う事になります。
その度に足場を掛けなければなりません。
足場に掛けるコストが勿体ないと思うなら、同時に工事を行うしかありません・・・。
「タイルにすれば、メンテナンスフリーだと思っていたのに・・・。」
良くある勘違いですよね。事前に説明をしなければなりません。
結局、時期をみて考えよう。と言う事になりました。
OBの皆様には、いつも温熱環境についてお褒めいただけます。
「建てて良かった。」
でも、エアコンの事。そして外部仕上げのメンテナンスについては
「もう少し、アドバイスが欲しかった・・・。」
というケースが多いんですよね。
既に対応が出来ている事もあるし、まだまだ不足している事もあります。
こうして言ってくれているうちはチャンスです。
呆れてしまえば、何も言ってくれません。
こうした経験を活かして、日々精進したいと思います。
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