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先日、『ウレタン吹込み』という断熱工法を耳にしました。
ウレタンと言えば、吹付工法が一般的だと思います。
いわゆる現場発泡もしくはスプレー工法です。
原料であるイソシアヌレートとポリオールを混ぜ合わせ、空気中の水蒸気と反応させて発泡します。
これをスプレーで吹き付ける断熱工法です。
吹込みということは、ウレタンの粒を吹き込むのでしょうか?
パソコン検索をしてみると、『次世代ウレタンブローイング工事』がヒットしました。
これは、平成17年に開発された、戸建住宅の天井に次世代型ウレタン断熱材を吹込む優れた省エネルギー工法のようですね。
ウレタン断熱ブローイング工法に使用している材料は粒状に加工しているため、以下のメリットがあるそうです。
1.天井裏の空気の対流によって空気の中のホコリや不純物、さらに水分を吸収することがありません。
2.厚みの軽減・断熱材の変色・吸水による経年変化がなく、断熱性能・吸音性が長期にわたり安定します。
3.原材料は建築基準法施行令第1条第6号に規定される難燃材料判定基準に適合する難燃性及び自己消火性を有しており、火災時も安心です。
4.ウレタン吹付工事で発生した発泡済ウレタンの削りカスを粉砕して原料の一部にしています。環境に配慮されたリサイクル製品です。
5.ノンホルマリンでアレルギーの要因になる物質は含まれておりません。
熱伝導率は0.036W/m・K。高性能グラスウールと同じくらいの断熱性能となっています。現場発泡ウレタンよりは若干劣ります。
吸音性能に優れていて、天井に吹込む事で生活で発生する中周波帯(400~2000Hz)の騒音を20~80%吸音します。
アクアフォームで有名なアクアにも『アクアブロー』という製品がありました。
熱伝導率が0.043W/m・Kと若干高くなっているくらいで、その他のメリツトは変わりありません。
ロックウール・グラスウール・セルロースファイバーによる吹込み工法と比較して比重が小さいため、天井への負担が少なくなります。
とあるくらいでしょうか。
こんな荷姿をしているようです。
吹込み工法は天井施工に適した工法です。
断熱性能の低い材料であっても、吹込み厚さを大きくすることで簡単に高い断熱性能を得ることができます。
弊社でも、天井断熱にセルロースファイバーを採用しています。
より性能の高い断熱工法は大歓迎ですが、この工法に魅力を感じることはありません。
価格の安さと比重の小ささは魅力かも知れませんが、火災に関する不安が大きいですね。
現場で発生した発泡ウレタンかすが原料の一部ということですから、スキン層がないウレタンになっている筈。
経年による性能劣化は否めないと思います。
当然、防湿シートの施工は必須だと思われますが、吸湿による加水分解も心配です。
posted by Asset Red
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