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誤解している方が多いんですよね。
弊社では土台に国産檜の芯持ち材(心材)を使用しています。
柱は国産杉の集成材です。
「ふーん。」
「スギやヒノキも良いけど・・・。」
「ヒバはシロアリに強いんですよね。」
「土台はヒバの方が良いんじゃない?」
昨日も、ご来社戴いたお客様に説明させていただきました。
「弊社も以前はヒバ材を土台に使っていたんですよ。」
「でも、現在は使っていません。」
「・・・。」
理由は、後程お話します。
シロアリに食べられることを『食害』と言います。
そして、食害されにくい木材を『耐蟻性』の高い木材と言います。
木材を加害するのは職蟻であり、歯のある大顎で木材を齧り取るんだそうです。
そしてシロアリの腸内に棲む共生微生物は分解困難なセルロースを分解し栄養源にします。
木材によっては、シロアリの被害を受けにくいものが知られていますが、木材の耐蟻性にはさまざまな要因が関係していると考えられています。
①木材の硬さ
木材の硬さは、主にリグニンの量によって左右されます。
シロアリは、硬い木材よりも軟らかい木材を好む傾向があるそうです。
つまりリグニン含有量の少ない陽材辺材が、秋材や心材よりも被害を受けやすいということです。
樹木の木口には年輪ができます。
春から夏にかけてつくられる目幅の大きな部分を春材または早材といい、夏から秋にかけて形成される目幅が狭く色の濃い部分を秋材または晩材もしくは夏材といいます。
春材は淡色で木細胞が大きく粗いため材質も粗く、秋材は木細胞が小さく密度が高いため材質は硬くなります。
この春材と秋材がそれぞれ交互にできることで、年輪は形成されます。
春材・秋材の区別だけではありません。
硬い木材でも腐朽が始まると軟らかくなり、加害されやすくなります。
②木材に含有される耐蟻成分
イヌマキ・センダン・ヒバなどの耐蟻性の高い樹種には、サポニン類・キノン・フェノール類などの酸性成分が耐蟻成分として含まれています。
これらはシロアリが忌避するものや死に至らせる物質で、一般に心材中に多く含まれています。
その為、心材は耐蟻性が高いのです。
そんな事を踏まえて、示されているのが次の表です。
財団法人 日本住宅・木材技術センター「大規模木造建築物の保守管理マニュアル」にある「各種木材の耐蟻性」という表を参考にして作られたデーターのようですね。
樹種別蟻害に対する耐用特性とあります。
国産材と外国産材に分けて対蟻牲の度合を大・中・小に分けて分類しています。
これを見ると、国産のヒバは耐蟻性大になっています。
そして、国産のスギやヒノキの耐蟻性は中です。
ホワイトウッドやベイツガ・ラジアタパインなどは、耐蟻性小。
なるほど、ヒバはシロアリに強いんですね。
そして、建売住宅で使っている木材がシロアリに弱いこともよくわかります。
スギやヒノキは『まあまあ』の強さというところでしょうか。
ちょっと待ってください。
『熱帯産材を除く全ての辺材』は、耐蟻性小とあります。
つまり、ヒバであっても辺材であれば耐蟻性小ということになります。
国産のスギやヒノキは、心材であるケースが非常に多くなっています。
でもヒバ材の場合は、大抵辺材です。
だから、ヒバを使っている場合は心材なのか辺材なのかが重要となります。
前者であれば〇、後者であれば×ということです。
ちなみにヒバ材にも青森ヒバを代表とする国産材と、ベイヒバがあります。
例え心材であっても、前者は〇ですが後者は△になります。
これが弊社がヒバを止めて国産芯持ち檜に変えた理由です。
元々、シロアリは熱帯林に生息していました。
だから、熱帯産材の中にはシロアリに対抗する為の成分が含まれているそうです。
自然って凄いですよね。
ちなみに、イエシロアリ・ヤマトシロアリに対しては強い檜の芯持ち材ですが、アメリカカンザイシロアリには効かないとか。
ムシャムシャと食べてしまうそうです。
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