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昨日打合せをしていて、お客様の反応にため息をついてしまいました。
グラスウールによる充填断熱工法をお考えの方だったんです。
弊社のおススメ『FPの家』の説明をさせていただきました。
この説明をする際には、必ず『壁内結露』のお話をさせて戴きます。
寒い家は健康を蝕みますよ。
家中全て19℃以上にしましょう。できれば21℃が理想の室温です。
いえいえ、部屋の温度だけではありません。
お風呂や脱衣室、トイレや廊下、玄関も暖かくしなければいけません。
押入や物入の中だって、温度差があれば結露しちゃいます。
その為には、断熱材を厚くする必要があります。
繊維系断熱材や発泡プラスチック系断熱材と、様々な断熱材があります。
それぞれの断熱材には一長一短がありますが、大切な事は断熱材に合った施工をする事です。
そして、それと同じくらい大切なのが『隙間を作らない』という事。
隙間があればそこから熱が逃げてしまいます。
せっかく暖めた空気を逃がしちゃ、もったいないですよね。
また室内の湿った空気が壁内の冷たい空気に触れ、断熱材と外壁の間で結露することだってあるんです。
結露は温度差のあるところで発生します。
断熱材は、熱の伝わりを少なくするための物でしょ?
断熱材の室外側の温度が0℃で室内側の温度が25℃だとしたら、そこに湿った空気があれば結露するのは当然です。
それを『壁内結露』とか『内部結露』と言います。
結露した断熱材の中には、断熱性能が低下する物もあります。
断熱性能が低下すれば、ますます結露は増えちゃいます。
悪循環の始まりです。
なんて事を言いながら、こんな写真を見て戴きます。
「えっ、こんな事になっちゃうの?」
「今の家は、暖かくてちゃんとしていると思っていたのに・・・。」
「あくまでも、悪い例です。」
「でも、そうならないような施工は意外と難しいんです。」
「・・・。」
「ネットで内部結露とか壁内結露という言葉を検索すると、このような画像がたくさん出てくると思います。」
「昔の話ではなく、今起きている話なんです。」
「先日、シロアリ屋さんに聞いた話です。」
「新築住宅を購入した方から、入居後4か月で連絡が入ったそうです。」
「シロアリの発生です。」
「結露が原因のようですね。」
「結露って瑕疵に当たらないんですよね。」
「えっ、瑕疵?」
「そう、欠陥工事や施工間違いによる不具合の中でも『雨漏り』や『床の傾斜』などは工務店が無償で直さなければなりません。」
「こうした欠陥工事を瑕疵と言います。」
「雨漏りが原因でシロアリ被害にあったら瑕疵ですから、無償で対応して貰えます。」
「でも結露でシロアリ被害にあっても瑕疵ではありません。よって工事費用はお客様負担となります。」
内部結露を知らない方もいるのに、結露と瑕疵の関係なんて、まだまだ知らない方が多いんです。
「そんな話はもういいよ!」とばかりに、うんざりした顔をされるケースなんてほとんどありません。
「ご存知だったんですね。良かった・・・。」
多分、言ったことないと思います。
寒い地域で起きる、特別な現象だと思っているようですね。
内部結露は、サッシに付く結露(表面結露)のように見えません。
すでに床下や天井裏、壁の中で発生しているかもしれません。
アトピーや喘息、アレルギーの原因も壁の中のカビだったりします。
そしてカビの生えた断熱材や構造体は、本来の強度を失っていきます。
せっかく、拘って地震に強い家にしたのに・・・。
耐震強度を3等級にしたって、強いのは構造体が健全な間だけなんです。
初期強度は確かに強いんです。
でも、時間が経った時の強度(経年強度)が強くなるのか、弱くなるのかを決めるのは構造体の置かれた環境なんです。
無垢の木を使うと、経年強度が強くなると聞きます。
100~150年かけて、ゆっくり強くなるそうです。
でも結露があったら、台無しです。
昔のように、寒い家なら問題ないんですが・・・。
まだまだ、私たちの啓蒙活動が足りないようです。
寒い家の怖さ
隙間の怖さ
内部結露の怖さ
少なくても、この3点は事あるごとに発信しなければなりません。
でも、
気密は、ほどほどが良い
とか
自然素材を使えば健康だ
なんてことを言う著名な建築関係者がいっぱいいるんですよね・・・。
posted by Asset Red
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