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本日午後、『FPの家 K邸』着工しました。
弊社では、『遣り方』をもって着工としています。
遣り方とは、建設工事に先立ち、貫板・木杭などを用いて、これから建てる建物の正確な位置を決めるために構造物の位置などを表示する行為。
もしくは、下イラストのような仮設物を言います。
必要なものは、配置図・基礎伏図・貫板・木杭・水糸そして、様々な工具類となります。
建設地にて大工・基礎業者と私で待ち合わせ、図面を見ながらの作業となりました。
まずは敷地と道路の高低差を測定し、配置図通りである事を確認します。
道路上の高さの変わらないポイントを目安に、図面上の地面の高さ『設計GL』を決定します。
この時に役立つのが『オートレベル』という計測器です。
早速、敷地内に据え付けます。
敷地内全てを見渡すことが出来る位置に据え付けるのがポイントとなります。
三脚に固定され、くるくる回るヘッドから照射されるレーザー光線は常に水平になっています。
この光を受けて、↑・↓・〇というサインを出すのが受光部です。
レーザー光線を受けて、↑・↓・〇の表示が音と共に出ます。
そしてこの表示が〇になれば、レーザー光線と同じ高さになります。
続いて、大体の建物配置を地面にマークします。
配置図中の『基準となる敷地境界線からの空き寸法』3か所を確認しなければなりません。
3か所中2か所は敷地境界線と平行になるように空寸法が決められています。
例えば、北側境界線から1000mm離れた線上に建物の壁の中心線が来るようになっています。
そして、その線の延長と隣地境界線との空き寸法が決められているため、その寸法を押えれば建物の配置は決まります。
建物の配置が決まれば、建物中心線より600mm程度外側に作業スペースを設け、そこに木杭を打ち込みます。
掛け矢と言われる大きな木槌で何回も叩きます。
木杭の打ち込みが終わったら、木杭に設計GLより700mm高い位置に印を付けます。
この時もオートレベルを使います。
写真中央の人が持つ棒に取付けられた緑色の機器が受光部となります。
全ての木杭に印を付けたら、それに合わせて水貫を取付けます。
取付けが完了した水貫です。
天端高さは全て同じレベルになっています。
水貫に基礎の通り芯を書き入れる為に、敷地境界線を水糸で示します。
隣地境界線からの空き寸法を確認し、問題が無ければ建物の四隅の位置を水貫に書き記します。
この時に使うのが『カネピタ』です。
写真の赤い器具がソレです。
先端から2枚の金属製テープが、同じ長さだけ出るような仕組みになっています。
テープ先端とテープ出口が作る三角形は、常に2等辺三角形になる訳です。
ですから、平行する水貫の真ん中にテープ先端を固定し、テープ出口を直交する水貫にマークし、もう一方の水貫にもマークすれば、テープ先端を取付けた位置を結ぶ線とテープ出口をマークした箇所を結ぶ線は必ず直角に交わっている事になります。
このマークを基準に墨を付ければ、建物の隅は直角を確保する事が出来る訳です。
書き記した墨となります。
真ん中が基礎の中心線。
そしてその両側が基礎の立上り巾となります。
そして中心線の墨に釘を打ち、それに水糸を張ります。
4隅全ての中心線に水糸を張ると、写真のように交点ができます。
これが建物の隅の中心線です。
次に、4隅のそれぞれを結んだ対角線の長さを図ります。
対角線の長さが同じなら、建物の中心線が矩形になっている事になりますが、長さに違いがあれば、中心線は平行四辺形になっている事になります。
この場合は、 基礎墨の書き込みからやり直さなければなりません。
今回は、誤差の範囲で問題なく終わりました。
遣り方終了です。
基礎のアウトラインをチョークで書いてきました。
土曜日は、根切り・鋤取りを行う予定です。
毎日少しづつ、この場を借りてご報告したいと思います。
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