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通院回数は年平均12回。
これはアメリカの約3倍、世界平均の約2倍に当たります。
結果、日本の年間医療費はおよそ42兆円に跳ね上がります。
そして公費と保険料で賄われているのが、そのうちのおよそ36兆円です。
これじゃー、我が国の社会保険制度が続く訳ないですよね。
そんな現状を変えるための対策を、色々と教えて頂きました。
昨日行ってきたのが、大宮ソニックシティで開催された
暮らしから始める健康セミナー&シンポジウムinさいたま
第1部は石原新菜先生による『病気しらず、医療いらずの健康生活~体を温めて万病のもとを断つ~』
そして
第2部は岩前先生による『住宅の断熱不足が健康に与える影響と対策』
第3部として、暖かい家にリフォームしたお施主様と暖かい家を新築されたお施主様を交えたトークセッション
という珍しい催しもありました。
今回は一般の方も大勢参加されている事もあり、全体を通して、いつもよりやさしい内容になっていたように感じました。
どこまで話をかみ砕いて話せばいいのか?
いつも悩むところではありますが、良い参考になったと思います。
色々と書きたいことがありますが、まずは岩前先生の講話の中からこのお話をピックアップさせていただきます。
まずは、次の写真をご覧ください。
(遠くから撮影したため、傾いていたり、画像が粗かったり・・・。ご勘弁ください。)
先生のパワポ画像を撮影しました。
次の3つの中で、室内のカビを減らそうと思った時、有効な手段は、どれだと思いますか?
①締め切って、エアコンを利用
②風を通して、拭き掃除
③締め切って、ほったらかし
流石に③はないですよね。
でも、年配の方の中には②と答えた方も多いのではないでしょうか?
正解は、①です。
そして②③の順で効果が少なくなります。
次の写真をご覧ください。
場所ごとのカビの数を示しています。
たたみ
カーペット
フローリング
どの床材にカビが多く付着していると思いますか?
石油製品と自然素材、どっちのカビが多いのでしょうか?
「なんとなく自然素材の方が良さそうだな。」
と思った方も多いと思います。
残念、結果は全く逆のようですね。
自然素材の方がカビの数は多いそうです。
しかも、フローリングよりも絨毯、そして絨毯よりも畳のカビ数の方が少ないなんて・・・。
なんか意外です。
フローリングの場合、継ぎ目(溝)に多くカビが生息しているそうです。
掃除の時には、念入りに溝を吸わなければならないそうです。
お風呂の中の湿気を無くし、カビの発生を防ぎたい時、みなさんは窓を開けませんか?
窓を開ければ、水蒸気を含んだ浴室内の空気が外に排出され、浴室内は乾燥する。
果たしてそうなんでしょうか?
残念ながら、浴室内の水蒸気を含んだ空気は外に排出されません。
何故なら、室内と室外に温度差がある場合、温かい室内空気は2階から外に抜けていきます。
そして外気に比べて気圧の下がった室内に、1階から新鮮空気が侵入する。
これが温度差換気と言われる現象です。
動力を用いる機械換気の他に、自然を利用する換気(自然換気)がありますが、これには2つあります。
先述の温度差換気と、風による風力換気です。
浴室と正対する位置にある窓から風が入り、浴室の窓から風が抜けるような間取りおよび、立地条件・周辺環境であれば、速やかに浴室の空気を窓から排出させることも出来るでしょう。
でも全ての条件が揃わなければ、温度差換気により湿った空気は室内に移動するだけ。
もしも、浴室に向かって風が吹いたりしたら、湿った空気は逆戻りです。
冬であれば、乾燥気味の室内空気の湿度を高める効果が期待出来ます。
でも、冬に窓を開けたりしないですよね・・・。
夏であれば、室内の湿度を高め、カビの発生を助長する結果になってしまいます。
リビングの湿度を測定した結果です。
そして洗面脱衣室の湿度測定結果です。
浴室の湿気が窓から排出されているのであれば、洗面脱衣室の湿度(青色)よりもリビングの湿度(黄色)の方が少ない筈ですよね。
でもこの結果を見ると、青色の方が湿度が少ないことがわかります。
結論です。
お風呂の乾燥を期待するのであれば、
窓を開けるはNGです。
窓を閉めて、換気扇を回しましょう。
昔から伝わっている常識も、現代の暮らしには即していないものもたくさんあります。
『おばあちゃんの知恵』は便利でありがたいけど、時には疑うことも大切です。
えっ!
健康と関係ないじゃん。
いえいえ、カビは健康によくありません。
それだけではないんです。
今回のテーマは『温かい家と健康』です。
それを医療と建築の両方からアプローチしています。
でも、温かい家の話をしようとすると、必ず『吉田兼好』の『すまいは夏をもって旨とせよ』の話を始める方がいます。
昔は通用した常識も、現在に通じるとは限りませんよ。
これを理解してもらうための話でした。
セミナーの話は、今後もご紹介したいと思います。
posted by Asset Red
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