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最近になってようやく『温かい家は、健康に良い』と言うことが徐々に浸透してきたようです。
テレビやラジオ、雑誌や新聞等で様々な記事を見聞きするようになりました。
でも、まだまだ伝わっていない事もあるんです。
例えばこんな話をご存知でしょうか?
先日のセミナーでの話です。
近畿大学の岩前教授は、断熱性能の低い家から高い家に転居した人達の健康調査を実施しました。
その調査によれば、当初持っていた疾病やアレルギーなどの多くが改善され、断熱性能の高い家ほど、その効果が顕著に表れる結果となりました。
図中の断熱性能G3とG4を比較すると、ほぼ横ばいなのに対し、G4とG5を比較すると顕著な改善が見られます。
このことから、国交省が定める最高等級の断熱等級4(G4)では健康維持促進するには断熱不足であることがわかります。
一般的には、断熱等級4を満たした家を『高断熱住宅』と言います。
この性能を満たした上で、気密性能の向上を図った家が『高断熱・高気密住宅』になります。
その気密性能がC値で言えば、2.0㎠/㎡以下で良いのか、1.0㎠/㎡以下にすべきなのかは、特に決まっていません。
弊社としてはC値は0.5㎠/㎡を下回るべきと考えていますし、気密性能を伴わない高断熱住宅は『張子の虎』だと思っています。
つまり『一見温かそうだけど、実は全然温かくない』家だと言うこと。
断熱材で家を包めば、家の中の温度は必然的に上がります。
温度が上がった空気は軽くなり、上に上がります。
隙間のある家であれば、暖められた軽い空気は上から外に抜けてしまいます。
その分家の中の気圧は下がり、外の空気を吸い込みます。
当然家の中の温度差は大きくなり、隙間風も強くなります。
壁や床・天井の中には気流が常時発生していて、表面温度は室温まで上がりません。
よって体感温度は下がります。
これが気密施工無き断熱住宅の現実です。
先程の断熱等級4は健康維持促進するには役不足という言葉も、本来の断熱性能不足が原因なのか気密性能の不足が招く室温低下が原因なのかわかりません。
いずれにしても、一般的に高断熱住宅と言われている家の中には、『そこに住まうご家族の命を守る』という基本的な家の機能を果たす事ができない。
言い換えれば、生命の安全という『基本的人権』すらも守る事ができない。
そうした家が含まれているという事実をしっかりと認識する必要があります。
上図は断熱性能別の自然室温グラフです。
盛岡における1月25日、無暖房のトイレの室温の推移を示しています。
①~④の4つの断熱仕様で比較していますが
①は等級4+開口部補強
②は等級4
③は等級3
④は等級2
に相当します。
外気温度が5℃位になる、朝7時が最低室温のようですね。
この時の、それぞれの室温は以下の通り。
①12℃超
②11℃
③7℃超
④6℃超
最高等級の家のトイレは、無暖房では11℃となっています。
家族を守る快適室温と題されたイラストです。
(タイトル自体には大きな不満が残りますが、それは置いておきます。)
ご存知、英国保健省による報告を元にした室温と健康の関係を示したデーターです。
これによれば、室温9~12℃は『血圧上昇・心臓血管疾患のリスクが増大』するそうです。
つまり、トイレにいれば病気になってしまう。
だからストーブを置いて室温をせめて18℃以上にしてね。
トイレだけではありません。
浴室・洗面所・玄関・廊下・階段、そして全ての居室を18℃以上に保つための暖房設備を完備し、それを常時稼働する必要があります。
岩前先生のデーターです。
我が国の最高等級(等級4)と欧米の普通の住宅の省エネ性を比較したデーターです。
日本のトップクラスの家でさえ、この程度なんだそうです。
さすが『断熱後進国』です。我ながら情けなくなります。
『我慢の小エネ』で消費エネルギーを抑えていた我が国を象徴する上データですが、実は『過去のもの』になっているそうです。
すでに、欧米の先進的な住宅の消費エネルギーは我が国の『寒い家』並みのエネルギーしか消費していないそうです。
全館暖房で、寒い場所が存在しない、健康増進が図れる家なのに・・・。
しかも、欧米だけの話ではありません。
お隣の韓国や中国・台湾にも置いてきぼりにされているそうです。
「人口抑制策の一環として、密かに温かい家撲滅作戦が進行しているのでは?」
なんてバカな想像が頭をよぎります。
セミナーの中で、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生は、こんな事を仰っていました。
全ての動物は病気になった時、次のようにして『自然治癒力』を高め、病気を克服するそうです。
①食べない
②熱を出す→体を暖める。
でも私達日本人は
「食べないと元気が出ない。」と無理に食べる。
そして
「暖かさは、堕落させる。」とか言って暖かさを厭い、寒さを好む。
いつの間にか本能とは逆の行いをしているようですね。
忘れてはいけません。所詮人間も動物です。
本能に逆らった行いをしていれば、健康を手に入れることはできません。
posted by Asset Red
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