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今日は良い天気ですね。
歩道を歩いていても、赤くなった満天星つづじの葉がキレイでうれしくなってきます。
『FPの家 K邸』
朝一番、型枠の上に張ってあった雨養生のためのビニールシートを外してきました。
シートを外す前の状況と
外した後の状況です。
このシートは、雨滴で基礎の天端が荒れる(平らで無くなる)事を防ぐのが目的で張りました。
もう既に天端は固まり、雨滴が落ちて来ても問題ない状態になっています。
ですから、早々に外しました。
打設後しばらくして雨が降ってきたので、シートの上には雨水が溜まっていました。
シートを外した際に型枠の内側にこぼれてしまい、一時的に基礎天端が水で隠れてしまう位の量に少しびっくり。
直ぐに抜けると思いますけど・・・。
打ち終わったコンクリートは、水和反応により十分に強度を発現し、所要の耐久性・水密性・鋼材保護性能等の品質を確保します。
そのため打ち込み後の一定期間を硬化に必要な湿度に保ち、有害な作用の影響を受けないようにする期間が必要となります。
これを養生期間といいます。
標準的な養生期間は以下の通りです。
日平均気温 | 普通ポルトランドセメント | 混合セメントB種 | 早強ポルトランドセメント |
15℃以上 | 5日 | 7日 | 3日 |
10℃以上 | 7日 | 9日 | 4日 |
5℃以上 | 9日 | 12日 | 5日 |
今回の場合であれば、普通ポルトランドセメントを使用し、日平均気温は10℃以上ですから7日間になる訳です。
コンクリートは十分に硬化が進むまで、硬化に必要な湿度条件を保ち、低温・高温・急激な温度変化等を受けないように必要に応じて温度制御養生しなければなりません。
また養生期間中に予想される振動・衝撃・荷重等の有害な作用から保護する必要もあります。
その間は原則、型枠を外すことが出来ません。
ただしJASS5および告示に規定には、型枠の存置期間は基礎の場合でコンクリートの圧縮強度が5N/mm2以上に達した時となっています。
つまり破壊試験を行い圧縮強度が5N/mm2以上あることが確認できれば型枠を外すことも許されている訳です。
周りの現場を見ていると、コンクリートを打設したと思ったら2・3日で型枠を外しているなんてこともあります。
「えっ、もう型枠外しちゃうの?」
と聞くと
「型枠を外した方が、良く乾くんです。」
なんて言葉が返ってくることもあったりして。
早く乾けば良い訳でも無いのに・・・。
こうした現場では、きっと破壊試験の結果を急いで確認したんでしょうね。
弊社依頼先の検査機関では、7日目と28日目の強度を確認しています。
ですから、少なくても7日間経過しないうちには型枠を外すことは出来ません。
2日後に壊してみてください。
とお願いして、壊した結果が5N/mm2を超えていれば良いことになります。
強度が出ていなければ、次の日に確認します。
その分のテストピースを予め用意し、破壊試験の費用をかければ済みます。
7日間経過した時の破壊強度は、設計強度を上回っていることがほとんどです。
だからと言って、確認もせずに型枠を外すのは明らかなルール違反です。
こんな事、していないよね・・・。
コンクリートの経時強度は、例えばこんな計算式で確認することが出来ます。
f’c(t)=(t/(a+bt))d(i)f’ck
ftk(t)=c√f’c(t)
f’c(t)=(t/(4.5+0.95t))×1.11×24
f’c(t)は材齢t日におけるコンクリートの圧縮強度(N/mm2)
f’tk(t)は材齢t日におけるコンクリートの引張強度(N/mm2)
f’ckはコンクリートの設計基準強度(N/mm2)
tはコンクリートの材齢(日)
iは設計基準強度の基準材齢(日)とし、28または91
a・bはセメントの種類によりばらつきますが、普通ポルトランドセメントの場合は定数aは4.5、定数bは0.95としています。
cはコンクリートの乾燥の程度によって異なりますが、0.44とし
dは材齢28日に対する材齢91日の強度の増加率1.11とします。
この式により求めたそれぞれの材齢における圧縮強度は以下の通り。
材齢4日の時の圧縮強度は12N/mm2
材齢6日の時の圧縮強度は15N/mm2
材齢8日の時の圧縮強度は18N/mm2
この結果を見ると、7日間という養生期間は少し長すぎる気がします。
4日目で充分強度が出ている筈。
でも、安全性を考えれば妥当なのかな?
コンクリートの強度が上がるのを待つ間、現場ブログはお休みです。
その間、他のネタを書かせていただきます。
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