室内の乾燥と健康

住宅の低湿度環境は冬季に発生しやすく、肌・喉・目・粘膜の乾燥感と関連します。

また過度な乾燥状態がアトピー性皮膚炎の悪化の一因になるなど、居住者の健康に直接影響する場合や、インフルエンザウィルスの生存率増加のように二次的に影響する場合があります。

以下、2011年1月20日から24日の5日間に実施された、インターネットによるアンケート調査の結果となります。

依頼総数4657世帯、うち有効回答数は3879件。回答率は83.3%でした。

質問内容は、乾燥に関する健康や建物の被害がどの程度潜在しているか、乾燥を感じるような住宅の特徴や年齢層、住まい方、低湿度状態の継続性、乾燥を感じる時間帯などとなります。

上表に各地域における乾燥度の集計結果を示します。

乾燥感を50%以上の世帯が申告していますが、健康面で乾燥が問題と申告している割合は、北海道・南関東・四国で比較的高くなっています。

上図に乾燥感と健康影響の実態を示します。

乾燥を問題と考えている割合は全体の37.1%。

そのうち『健康に何らかの影響や被害を受けている』割合が全体の22.8%となります。

健康影響には

『風邪をひきやすい(12.3%)』

『喉が痛い(9.0%)』

『アレルギー悪化(2.4%)』

などが挙げられています。

若年層ほど『乾燥は問題(健康被害)』の割合が高く、女性の場合には明確な関連が見られます。

断熱水準が高い程乾燥感を申告する割合は高いのですが、『乾燥は問題(健康被害)』の割合は断熱水準が低いほど高くなり、断熱水準が高いことは健康面での被害を回避できる可能性が示唆されています。

空気汚染を感じる方が『乾燥は問題(健康被害)』の割合が高く、化学物質や浮遊粉塵などの低湿度以外の要素が居住者の乾燥感に影響位している可能性も考えられます。

 

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