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昨日のセミナーで印象に残ったお話です。
最近、日本ホウ酸処理協会(JBTA)では基礎断熱工法(外張り)におけるシロアリ被害の対応が増えているそうです。
そもそも、基礎コンクリートの外側に断熱材を張りつける事自体が地下シロアリにとって都合の良い施工なんだそうです。
シロアリは地下トンネルを進み、基礎に突き当たるとそのまま上に上がります。
上にはおいしい食べ物を並べたレストランが待っているようなものです。
でも、シロアリは身体表面の乾燥に極めて弱い為風や日光を嫌います。
地面にあるトンネルからレストランまでの道は、風有り日光有りのシロアリにとって厳しい道程です。
そこで、彼らは『蟻道』というトンネルを作りレストランへの通路にします。
蟻道をつくるにもそれなりの時間がかかるでしょう。そして蟻道は私達にとって良い目印になります。
発見したら、すぐにシロアリ駆除を行います。
でも基礎の外側に張りつけられた断熱材は、恰好の日除け&風除けです。
コンクリートと断熱材の間にある隙間、もしくは断熱材の中に穴を開ければ簡単に通路が出来上がります。
出入りが人目に着く心配もありません。
寒さに弱く冬眠も出来ないシロアリにとって、暖かい断熱材は格好の通路なんでしょうね。
そこで、最近は各メーカーで耐蟻性の高い断熱材が発売されています。
この断熱材を使えば、基礎外側に断熱材を貼っても大丈夫なんだとか・・・。
上表は代表的な防蟻基礎断熱材の特徴を挙げたものです。
防蟻成分&保証に注目してください。
JBTAの推奨する防蟻基礎断熱材は右端の『パフォームガード』です。
防蟻成分はホウ素系DOT、10年保証になっています。
その隣のミラポリカーボネイトは防蟻というよりも、硬い断熱材でシロアリの進入を防ぐタイプのようですね。断熱性能の低さからあまり採用されていないようです。
そして、良く見掛ける左側の3つの断熱材は有機薬剤が添加されています。
保証期間はそれぞれ表の通りとなっています。
上表は、防蟻剤の種類と持続性を示したもの。
合成ピレスロイド系・ネオニコチノイド系の防蟻剤の持続性は5年以内とあります。
そう有機薬剤(合成殺虫剤)は揮発・分解で3~5年で効果が無くなってしまうんです。
先程の3つの断熱材はすべて、この薬剤を使っています。
つまり、3~5年で防蟻性能が無くなってしまう訳です。
10年保証の根拠がわかりません。
これらを使った基礎断熱が、シロアリ被害に合うのも納得です。
表面にステンレスメッシュを貼ったって、小口からの進入を防ぐことはできません。
ホウ酸入りの断熱材にしたらいいのに・・・。
ホウ酸は天然の無機物です。
揮発・分解することがありません。
だから、いつまでも効果が続きます。
ホウ酸入りの基礎断熱材を採用していない工務店は、木材にも合成殺虫剤を使っているのでしょうか?
3~5年経って、効果が無くなっても塗り直しは効きません。
posted by Asset Red
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