全構造材処理

先日『FPの家 K邸』において、ホウ酸による木材劣化対策工事が行われました。

いかも今回は従来の床から1.0m程度への防蟻・防腐剤の散布ではなく、全ての構造材にホウ酸を散布する『全構造材処理』です。

上イラストで藍色の部分(標準処理)が一般的な防蟻・防腐剤の散布部分となります。

それに対して今回行ったのは、薄い藍色部分となります。

簡単に言えば、土台の裏から野地板の裏までの木部が対象となります。

実際には、基礎のシロアリ侵入口と成り得る部分や断熱材に対する処理も行われているんですが・・・。

使われている防蟻・防腐剤は(社)日本木材保存協会認定品(認定番号 A-5431)/ティンボアPCO

有効成分は、八ホウ酸二ナトリウム四水和物(Disodium Octaborate Tetrahydrate:DOT)となります。

木材保存剤として世界中で使われているホウ酸であり、米国環境保護庁(U.S.EPA)に認可された数少ない木部用保存剤でもあります。

木材をシロアリや腐れなどの劣化生物から長期間守ります。

無色・透明・無臭、金属を腐食させることもありません。

これを一般の防蟻・防腐処理に比べて大量に使い、木部に塗ることでヤマトシロアリ・イエシロアリや木材腐朽菌から建物を守ることが出来ます。

5年目・10年目に検査を受けることで、15年間の保証が付与されるのが特徴です。

しかも、損保会社の保証です。(一般的な5年保証は施工会社の保証となるため、施工会社が無くなれば効力が無くなります。)

これもホウ酸が合成殺虫剤のように揮発する事も無く、シロアリに耐性を持たれないという特徴のためです。

別途天井裏へのホウ酸ダステイングを行い、手数料を支払えば7年間のアメリカカンザイシロアリに対する保証も可能です。

2階柱に散布している様子を撮りました。

3階床下地合板および梁に散布しています。

2階床下地合板の上面にも散布します。

筋違や屋根タルキ・野地板などには、取り付ける前にホウ酸を散布します。

作業は1日掛かりでした。

この後、断熱パネルの納品時期に合わせて再度散布が行われます。

外壁合板・断熱パネル・根太など。

従来の合成殺虫剤と違い、毒性が極めて少ないホウ酸だからこそ出来る施工ですよね。

こんなに沢山の量の合成殺虫剤を使えば、大工さんも作業を進める事が出来ないと思います。

当然、住人にも何らかの影響が出るでしょう。

シロアリは地面から来るとは限りません。

どこから攻められてもいいような対策が良いですよね。

基礎廻りの対策や次回の作業風景も、ご報告させていただきます。

お楽しみに・・・。

 

 posted by Asset Red

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