季節外れの話題ですいません。

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冬なのに、湿度の話です。

しかも除湿の話・・・。

明日行われる、予約者限定見学会でチラッと見ていただける『セントラル除湿装置』のご紹介を少々させていただければと思います。

健康を考えた時の快適湿度は40~60%と言われています。

湿度とは、空気中の水蒸気の量や、空気の湿り具合の程度などを表す量のことを言います。

空気中の水分量の比率を表すのに、空気を下記のように分類します。

き空気・・・水分が全くない状態の空気

湿り空気・・・ほんの少しの水分が混じっている状態の空気(一般に存在する空気)

飽和空気・・・これ以上水分を含むことが出来ない空気

私たちの周りにある空気は『湿り空気』であり、水分だけでなく酸素・窒素・炭酸ガスなどと混合しています。

でも空気中の『水分』は水滴(液体)として存在しているのではなく、水蒸気(水が蒸発して気体になったもの)として存在しているため目には見えません。

一般的に『湿度』というときは『相対湿度』を指しますが、他の湿度の表し方に『絶対湿度』があります。

相対湿度と絶対湿度について説明していきましょう。

相対湿度

ある温度の空気中に含みうる最大限の水分量(飽和水蒸気量)に比べて、どの程度の水分を含んでいるかを示す値で%RHで表します。

 

湿度100%となると、「もうこれ以上空気中に水蒸気は含めません」(飽和空気)という状態です。

また飽和空気に含まれる水蒸気量を飽和水蒸気量と言いますが、これは空気の温度が高くなるほど多くなり低くなるほど少なくなります。

 

飽和状態の空気により冷たいもの(例えば、冬場の室内空気と窓ガラスの関係)を接触させてみましょう。

その周りの空気が冷やされることにより、空気中に含むことが出来る水蒸気は少なくなります。

その結果、水が水蒸気のままではいられずに接触面で水滴となる現象を『結露』と言います。

 絶対湿度

湿り空気(一般に存在する空気)中の乾き空気(全て水分を含まない空気)1kgに対する水蒸気の重量割合を示し、kg/kgDAで表します。

 

 

空気を座席数が決まっている部屋と考えます。 

この例では、最大で16人座ることが出来ますが、8席だけが埋まっています。

相対湿度は、座席数に対してどれだけの席が埋まっているかという「割合」になりますので、この場合、相対湿度は50%ということになります。

対して、絶対湿度は、実際に座っている人の数になりますので、1人を0.001kgとした場合、絶対湿度は0.008kg/kgDA(=座っている人が8人)ということになります。

この図の場合、座席は16席ですが、この座席数は温度によって変わります。

 

 

温度16.5℃の時には、座席数が12席あり6人が座っています。

1人を0.001kgとした場合、絶対湿度は0.006kg/kgDAで、相対湿度は 50%となります。

温度25℃になると座席数が18席に増えます。

座席数が18席あり6人が座っていますので、絶対湿度は先程と変わらず、 0.006kg/kgDAです。

でも全体の座席数が増え、込み具合は変化していますので相対湿度は約30%となります。

冬季に外気の湿度が50%あっても乾燥していると感じるのは、空気中に存在する水分量が少ないためです。

上記、緑字およびイラストはダイキン工業のHPより抜粋させていただきました。

日本人であれば十分ご理解いただけることですが、夏は湿度が高く冬は湿度が低い。
だから冬は加湿器を利用したり、洗濯物を室内干しにしたり、ストーブの上に水を張った盥や薬缶を置いたりします。
そして夏は、エアコンに頼る・・・。
エアコンって空気のこうした性質を利用して除湿を行う機器だったんですね。
外気温が高く湿度が高い時にエアコンを利用すると、効果は絶大です。
でも外気温が室温と変わらず湿度が高くて不快な時もありますよね。
残念ながら、こうした場合エアコンの除湿効果はあまり期待できないんです。
エアコンの温度設定と室温のギャップが大きいことが除湿効果を高める条件だからです。
湿度を下げようとすると寒くなってしまう。

そして、換気システムの選択によっても室内の湿度は大きく変わるんです。

『FPの家 K邸』の場合、「夏場の湿度をめいいっぱい下げたい。カラッとした室内環境を実現したい。」がテーマのひとつでした。
そのため、換気システムを従来の第3種から熱交換型第1種に変えました。
第3種換気とは、排気に動力を使い給気を自然に行う仕組みです。排気ダクトが必要になります。
そして第1種換気とは、給気・排気ともに動力を行う仕組みです。給気・排気共にダクトが必要です。

熱交換型換気と言えば、排気と給気の熱を交換し廃熱による熱ロスを少なくすることで省エネを実現する換気として昨今は有名ですよね。
換気システム自体の消費エネルギーは第3種よりも多くなりますが、冷暖房エネルギーの消費を減らす事が出来る。

でも、熱交換によるメリットが出るのは1年の中でも冬季の4か月足らずって事をご存知でしょうか?
夏の省エネ効果はごく僅かです。だって外気温と室温の差がそれほどありませんから。
そして春・秋に関しては全く効果が期待出来ません。
第1種換気システムは顕熱交換タイプと全熱交換タイプの2つに大別されています。
前者はトイレ・浴室等の臭いや湿気の発生する部屋の換気を行うことが出来ますが、後者はそれらの換気を行うことができません。
だから換気システムと別に個別換気扇を設置し、排気するのが一般的です。
ただでさえ消費エネルギーか大きいのに、別に換気扇をつけなければならないなんて・・・。
しかもそれらの換気扇は大抵第3種を採用している。
これらの換気扇には熱交換機能はありません。
全体換気量に対するこれらの換気量ってバカにならないんですよね。
FPの家 K邸であれば、全体換気量205.85㎥/hに対して111.6㎥/h(およそ54%)もあるんです。
外気温度10℃/室内温度25℃(温度差15℃)の時、仮に熱交換率を90%だとすると、導入される外気温は13.5℃になります。
でもこれは全体の46%に過ぎません。
残り54%は10℃のまま導入されるんです。
なんだか損した気がしませんか?
それなのに機器代が高い。
そして給気分のダクト費用も嵩みます。
結果、費用対効果が低くなる。
弊社が全熱交換タイプの第1種換気システムを採用しない理由がここにありました。
顕熱タイプであれば、トイレや浴室の換気を行うことが可能です。
熱交換率は若干低くなりますが、個別換気扇を必要としない為換気エネルギーは小さくなるし暖冷房エネルギーの削減を図ることも可能です。
従来、弊社ではお施主様が希望する場合はこのタイプをお勧めしていました。
残念ながら、機器代の高さ・ダクト費用が嵩むのは全熱交換と同じです。

さて問題です。
今回採用したのは、どちらのタイプだと思いますか?
正解は全熱交換タイプです。
でも、只の全熱交換タイプではありません。
一般的な熱交換換気のしくみを表したイラストです。
熱交換素子は和紙などが多いようですね。
イラストには給排気の温湿交換を行い、臭い・雑菌などの交換は行わないと書いてあります。
(だったらトイレやお風呂で使ってもいいんじゃない?)
湿度の程度問題のようですね。熱交換素子がカビたり、臭い戻りの恐れはあるようです。

まあ、熱交換素子が和紙であれば当然だと思います。

そうそう、全熱とか顕熱って何のことか書いていませんでしたね。
熱には潜熱と顕熱の2つがあるそうです。
そして潜熱+顕熱を全熱と言います。
潜熱は水蒸気に含まれるエネルギーです。
だから顕熱交換の場合は水蒸気エネルギーの交換は出来ません。
水蒸気の持つエネルギーは大きいので、活かしたいけどカビや臭い戻りは心配・・・。
この辺りが顕熱交換と全熱交換の選択時の悩みのタネでした。
そして今回採用したのが、上イラストのような仕組みをもつ全熱交換タイプでした。
金属製のロータリー素子を採用している為、トイレ・浴室の換気を行う事が出来ます。
水蒸気の交換を行ってもカビたり、臭い戻りがありません。
エアコンでコントロールした空気の中の水蒸気も給排気時に交換できるので、湿度が変わりません。
顕熱タイプや第3種換気のネックが、換気による湿度変化でした。
湿度をコントロール出来る換気システム。
今回のテーマを解決するのに適した換気システムだと思います。
そして、このシステムに『魔法のトンネル』という除湿装置を加えました。
ヒートポンプを利用した、小さなエアコンのような装置です。
装置の中の空気を冷やし結露水を排気し、湿度を下げる事が出来ます。
この装置を換気システムの給気配管につなぐことで、家中の空気の湿度を下げることが可能となります。
エアコン同様温度も下がるので、換気による予備冷房の役目を果たすことも可能です。
残念ながら、今回の見学会で効果のほどを体感していただく事は出来ません。
天井に1mほどの黒い物体が設置されているのを見てもらうだけ・・・。
だから、ここで説明させていただきました。
絶対湿度12g/㎏DAが湿度の目安なんだそうです。
でも実際にこれを実現するのは非常に難しい・・・。
今回の挑戦で、どこまで近づけることができるのか・・・。
結果が待ち遠しい限りです。

 

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