気密の必要性

今日は久々の『気密性能測定』が行われます。
もちろん、お施主さまにも立ち会っていただきます。
意外と知らない方が多いんですが、住まいの気密性って相当重要です。
「気密?何ソレ?」
もしかしたら、そんな方がいるかもしれませんね。
多いか少ないかの違いはあれど、住まいのあちこちに隙間は存在します。
春先、窓も開けていないのに床がジョリジョリする。どうやら隙間から砂が入って来たらしい・・・。
冬、床と壁の取り合い部から冷たい風が来るんだよね・・・。
窓の隙間から風が入って冷たい・・・。
こんな風に感じたことがあるのではないでしょうか?
隙間が多い家=気密性の低い家
もしくは
隙間の少ない家=気密性の高い家
と言います。
屋根(天井)・外壁・床・窓などの、外気と室内を隔てる部位を総じて『外皮』と言いますが、そこに存在する隙間を全て合わせて面積を『総隙間面積』と言います。
単位は㎠。
これを床面積で除したのが『相当隙間面積(C値)』となります。
単位は㎠/㎡です。
例えば床面積が100㎡の家の総隙間面積が10cm×10cm角(100㎠)としましょう。
C値は100㎠/100㎡=1.0㎠/㎡となります。
C値が小さいほど隙間が少ないことを表す訳です。
気密性能測定とは、気密測定技能者が専用の測定機器を利用して、建物の総隙間面積を測定すること。
測定した総隙間面積を床面積で除すれば、C値が判ります。
ついでに、C値についての簡単なレクチャーを受けることも出来ます。
気密性の高い家と低い家の違いを目で見て体感することも出来ます。
機会があれば、皆さんにも経験して戴きたいと思います。
住まいにおける気密化(気密性を高める)によるメリットは上図の通りです。
細かい説明は割愛しますが、大きく分けると4つあります。
①漏気(隙間から室内空気が漏れたり、外気が入ったりする。)による熱負荷の削減が図れる。
②断熱材の断熱(保温)効果を補完する。
③繊維系断熱材の場合は防湿も兼ねる。(内部結露を防ぐ。)
④計画換気の前提条件となる。(気密性の低い家では計画換気は機能しない。)
逆を言えば、気密性の低い住まいのデメリットですよね。
熱負荷の低減が図れない。
断熱材の効果が充分得られない。
内部結露が発生し、躯体の耐久性を大きく失う。
計画換気が機能せず、空気質が大きく低下する。
そんなの高断熱住宅と言えないのでは・・・。
最後に気密と断熱、そして内部結露の関係をまとめた図を紹介します。
昔の家は低断熱&低気密でした。
寒くて隙間風ピューピュー、暖房費はかかりますが、結露はそれほどありませんでした。だって内外温度差がちいさいですから。
断熱はそのまま気密性を高めると、漏気が減り暖房費は軽減出来ます。でもその分表面結露を招くことになります。RC住宅が良い例です。
逆に気密をそのまま断熱性を高めると昨今の高断熱住宅になります。
暖房費の削減はそれなりに図れますが、内部結露による躯体の傷みが密かに進行しているかも・・・。
思ったほど暖かくないと感じる方も多いようですよ。これって隙間からの漏気が原因です。
臭いが抜けないと感じるケースも多いそうです。
高断熱・高気密住宅に、そんなことはありません。
暖房費の削減は図れるし、内部結露もありません。
計画換気も機能するから、空気質も向上します。
この話を読んで不安になった方は、是非気密性能測定をしてみましょう。
隙間の大きさにびっくりするかもしれませんね。
 

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