今日の練馬・板橋の空はグレー1色。
時折細かい霙がパラパラと零れてきます。
(どうやら風でどこかから流れている様子。霙が降っている訳では無さそうです。)
寒いですねー。
道路の雪は相変わらず残っていて、運転の際に焦ったりします。
『FPの家 K邸』
お施主様にもご参加いただき、『気密性能測定』を行いました。
現場に着くと、既にセッティングが完了していました。
高速道路が空いていたようですね。
1階寝室の掃出し窓に気密シートを貼って、測定機器を設置しています。
外から見ると、こんな感じです。
外気温度や気圧を測るセンサーもシートから外に出ています。
試運転をしてみましたが、問題はありません。
中々良い結果が期待出来そうです。
しばらくおしゃべりをしていると、K様ご一行の到着です。
気密測定技能者のK氏をお施主様に紹介して、いよいよ測定スタートです。
まずは、気密測定についての簡単な説明です。
既に気密の重要性をご存知のK様。
うんうんと頷いていました。
ファンを動かし外気圧に押されて内側に膨れた気密シートを叩いてもらったり、そのまま玄関ドアを開けて張りを失ったシートを叩いてもらったり・・・。
内外気圧差を体感してもらいます。
空気は見えないので、これが一番わかりやすいですね。
ダラーンとしていたシートが内側に膨らみ、風船のようにパンパンになります。
この時の差圧を確認すると、かなり大きい値になっています。
「仮に建物の隙間がゼロであれば、いくらファンを回してもそこから空気は出ていきません。」
「ファンから出ている空気は、建物の隙間から入る空気の量と同じです。」
「つまり、出ていく空気の量を測ることで隙間から入る空気の量を測ることが出来るんです。」
玄関ドアを少し開けると、とたんに差圧は少なくなり、シートはダラーンとなります。
「建物内の気圧はどこも同じです。だから外皮全てに等しく圧力がかかっています。」
「へぇーっ。」
いよいよ、計測が始まりました。
風量を上げながら、数値を機械に取り込んでいきます。
測定結果がでました。
固唾を呑む、ご家族。
その結果は如何に!
ジャジャーン
相当隙間面積:αA=12㎠
隙間特性値:n=1.12
通気率(ΔP=1Pa時の通気量):a=2.3
ΔP=9.8Paにおける通気量:Q9.8=17.3㎥/h
室内温度:5.7℃
外気温度:2.9℃
50.0Pa時の確定流量:74㎥/h
となりました。
実質床面積は170.71㎡。
気積合計は411.70㎥
ですから
C値=0.070、四捨五入して0.1㎠/㎡
ACH(50.0Pa時の漏気回数)=0.17回/h
となります。
かなり良い結果だと思いますよ。
弊社の場合、C値は大抵0.2~0.3の間になります。
0.1を下回るケースは、過去に数回あった位だと記憶しています。
やったー!
思わず、心の中でガッツポーズです。(もちろん、平静を装っていましたが・・・。)
C値は高性能住宅の証です。
ちなみに1985年に制定されたカナダ(R2000住宅)の場合の
気密基準はC値=0.9㎠/㎡(新築時は0.5㎠/㎡)
また国際基準であるACHは1.5回/h(新築時は0.8回/h)
そして最近よく耳にする、ドイツ(パッシブハウス)の場合のACHは0.6回/h
ですから、いずれも軽くクリアしている事になります。
K様も大変喜んでくださいました。
気密施工は経験がモノを言います。
弊社も、200棟を超す高気密住宅をつくって来ました。
それなりに自信を持っているつもりですが、やはり気密測定は緊張します。
まさに『人事を尽くして天命を待つ』という心境です。
万が一、0.3㎠/㎡を超えてしまったらどうしよう・・・。
今回も杞憂に終わったようですね・・・。
あー、良かった。(ホッとしました。)