昨日行われた『気密性能測定』について、もう少しだけ書きたいと思います。
説明不足のところが多くて、少し反省・・・。
まずは測定機器に関する事から。
一般に使用される測定装置は、送風機、流量測定器、内外の圧力測定器、内外の温度計などで構成されています。
送風機で住宅内外の圧力差を作り、5点以上の圧力差と流量を測定してグラフを作成。
そのグラフをもとに総相当隙間面積を算出します。
低気密住宅では隙間が多いため、送風機で空気を送り出しても、隙間からすぐに空気が流入します。
よって、流量を大きくしても差圧はあまり上がりません。
それとは逆に、高気密住宅では少ない流量で差圧を上げることができます。
続いて隙間特性値nとは・・・。
この値は隙間の状態を表し、通気特性式を対数で表した場合の直線の傾きとなります。
一般にnは1~2の範囲をとり、それぞれの隙間が極めて狭い場合は1に近づき、広い場合は2に近づきます。
高気密住宅の隙間はひとつひとつが非常に細かく、低気密住宅の隙間は大きい傾向にあります。
気密を意識して作られた家のn値は1.0~1.5以内に収まるようです。
ちなみに比較的隙間が小さいと言われるRC住宅。
そのn値は1.5前後になるそうです。
気密測定の結果ではc値の小ささで性能の良し悪しを判断していますが、n値で判断する事も大切です。
例えば、1.0㎠の穴が100個ある家と3.0㎠の穴が10個と1.0㎠の穴が70個ある家の隙間面積は100㎠(10cm×10cm)になります。
床面積が同じ100㎡であれば、当然C値も同じ1.0㎠/㎡。
3.0㎠の穴があったら、色々と問題ありますよね。
気密測定は単位隙間相当面積C値を読み取るための作業ですが、このn値を読み取ることで隙間の大小、あるいは隙間が存在する位置(施工ミス)を見つけることができます。
n値が小さい家は、気密化施工した大工さんが丁寧に施工した家という事。
安心して良いと思います。
最後に、50Pa時の漏気回数(ACH)についてです。
50Paと言えば、家が時速35~40kmで走った時に相当するそうです。
こんな状態は、凄い台風の時でもない限り起きません。
ACHとは、内外圧力差が50Paになった時の自然換気回数をあらわした値です。
スウェーデン建築基準(3.0回/50Pa)
カナダR-2000住宅基準(1.5回/50Pa)
ドイツパッシブハウス基準(0.6回/50Pa)
となっております。
隙間相当面積(C値)で住宅の気密性能を表すのは日本だけ、国際的にはACHで基準が決められています。
その数値を見ることも、大切だと思います。
あー、スッキリした。