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昨日、OB宅を訪問する機会がありました。
1時間弱、建具の調整などを行いながら色々な話を聞かせていただくことができました。
その中でも、陽の当たる床材(ウォールナット)の変色に関する話題は、自然素材をお勧めする弊社にとってうれしい内容でした。
太陽光が暮らしに与える影響には色々ありますが、どれもが非常に大きいとつくづく考えさせられました・・・。
ということで、日光に関係する話を何回かに分けてご紹介したいと思います。
健康な生活を維持するためには、各種ビタミンの摂取が不可欠と言われています。
中でも子供たちの骨の生育を助けるビタミンDは、日本人の多くが慢性的に不足しているとも言われ、骨粗鬆症が多い原因とも思われています。
ビタミンDには、骨の生育に必須な血中カルシウム濃度を高める作用の他に免疫作用を高めたり、様々な病気の予防効果があることが判っていて、魚やキノコなどの食物に比較的多く含まれているほか、太陽の紫外線を浴びることで我々自身の皮膚で生成することもできます。
これが不足すると骨をつくるカルシウム沈着障害が発生し、くる病・骨軟化症・骨粗鬆症・幼児の頭蓋ろうなどの病気が引き起こされるほか、高血圧・結核・癌・歯周病・多発性硬化症・冬季うつ病・抹消動脈疾患・自己免疫疾患など、様々な疾病の羅患率が上昇する可能性も指摘されています。
厚生労働省は、成人について1日のビタミンD摂取量の目安として最低5.5μg/上限50μgを推奨しています。(日本人の食事摂取基準 2010年版)
高緯度に位置する北欧諸国では日光不足によるビタミンDの欠乏を補うためのサプリメント摂取が積極的に行われていますが、我が国では、ビタミンDが豊富な魚介類の摂取や積極的な日光浴によりビタミンDは比較的充足していると考えられてきました。
でも昨今の状況を踏まえると、不足しているようですね。
ビタミンDの必要量の大部分は日光の紫外線による対内生成に依存していると考えられてきました。
でも1980年代のオゾンホールの発見以来、オゾン層の破壊による紫外線の大量照射は有害だという考え方が浸透し、太陽光をなるべく浴びないようにするという風潮になっています。
また紫外線の照射はシミ・しわの原因となる等の美容上の観点から、なるべく日光浴を避ける傾向にもあります。
これらが、ビタミンD不足の一因になっているのは間違いないと思われます。
京都市内で2006~2007年にかけての1年間に出生した新生児1120人を対象とした学者の調査では、全体の22%にビタミンD欠乏症を示唆する頭蓋ろうが認められたといいます。
しかも発症には明らかな季節間変動性が認められ、胎児の骨量が増加する妊娠後期が太陽光線の弱い冬季であった4~5月出生時に、頭蓋ろうの発生頻度が高いという結果が示されています。
紫外線によるビタミンD生成を推奨するため、環境省を始めとする関係機関は表1に示す日光浴を推奨しています。
組織による推奨値には大きなばらつきがありますし、場所(緯度)や季節による違いも考慮されていません。
この点で、次に掲げる国立環境研究所と東京家政大学の研究チームによる発表は画期的な成果と言えるでしょう。
健康な生活に必要不可欠な成人の1日のビタミンD摂取量の指標とされる、5.5μgすべてを体内で生成する場合に必要な日光浴(紫外線摂取)時間を
日本の北/札幌・中間点/つくば・南/那覇の3地点で明らかにしています。
つづく・・・。
家を建てる前に読む本『改正住宅省エネルギー基準』解説と手引き
奈良憲道 編著
エクセルシャノン 刊
より、抜粋させていただきました。
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