断熱材の仕組み

断熱材は『繊維系断熱材』と『発泡プラスチック系端熱材』に大別されます。

前者は細い繊維状の材料を積層し、内部に含まれる空気の対流・伝達を小さくすることにより、断熱効果を発揮させるもの。

その性質は基材となる繊維の材質・繊維系・繊維状態・繊維方向・製品密度などの影響を受けます。

一方、後者は連続層のプラスチック中に発泡剤などの気体(泡)が分散層として存在するもの。

その性質は基材樹脂の性質・気泡径・気泡中のガスの性質・樹脂成分の体積分率(密度)・立体構造・独立気泡率の影響を受けます。

樹脂成分の体積分率は『樹脂単体の体積』で『同一重量の発泡体』を除した値『発泡倍率』として表現され、3~4倍以下の材料を『低発泡品』、それ以上のものを『高発泡品』と言いますが、発泡プラスチック系断熱材は概ね30倍以上の高発泡品となります。

一般的に断熱材の断熱性能は材質に依らず、素材自体の熱伝導率・内部に含まれる気体の対流・材料無いでの輻射の3つの要素で決まります。

伝導とは、物質内部の分子運動などによって熱が伝わる現象です。

一般的には金属など比重の大きなものは熱伝導が大きく、固体>液体>気体の順になります。

また対流とは、気体や液体などの流体が温度差により流体自体の移動によって熱が伝わる現象です。

気体や液体は温度が上昇すると膨張し、密度が小さくなり上昇し、その周囲にある密度の大きい部分が降下することによって熱が伝わります。

そして輻射とは、物質の温度に応じて発する遠赤外線などの電磁波により熱が伝わる現象です。

放射ともいい、伝導や対流と違い物質を介さない熱の移動です。

繊維系断熱材と発プラ系断熱材では内部構造が異なるため、熱伝導・対流・輻射の発現機構に差があります。

つづく・・・。

断熱建材ガイドブック

断熱建材協議会 著

建築技術 刊

より、一部を抜粋させていただきました。

 

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