窓の気密性

昨日の気密性能測定で感じた『引違窓の気密性』の低さ、窓の規格上はどうなっているのでしょうか?

窓における気密性とは、サッシの枠と戸の透き間からどれくらいの空気(すきま風)がもれるかを表す性能です。

気密性とは

冷暖房時の熱損失を少なくする。

騒音の侵入を減らす。

砂やほこりの侵入をおさえる。

などの効果を高めるためには、気密性の高いサッシが求められています。

気密性は面積1m²・1時間当たりどれくらいの空気がもれるかを基準とした等級で表し、空気のもれはm³/h・m²で表されます。


JISについて調べてみました。

JIS A 4706-2000(サッシ)ではサッシの気密性能について以下の等級を定めています。

JIS A 1516-1998 (建具の気密性試験方法)に従い試験を行い、該当する等級について通気量が下図に規定する気密性等級線を上回らないことを定めています。

気密等級ではA-1・A-2・A-3・A-4の順で気密性が高くなります。

「樹脂とアルミの複合サッシ 画像」の画像検索結果

樹脂とアルミの複合サッシの引違窓の気密性能は、カタログによれば『A-4(2)』等級。

「すきま風による冷気・暖気の流入を抑えて、断熱性能をさらに高めます。」なんて説明が添えられています。

()内の2は旧等級を示すようですね。

JISの示す最高等級に当たるようですが、そもそも引違窓と他の窓の間に等級の違いはありません。

この等級って、実際の生活にどの程度影響するのでしょうか?

図

例えば気密性能等級A-3のサッシとは、窓の内外圧力差10Pa(1.02kgf/m²)の時、面積1m²・1時間当たり最大8m³の漏気量が許容されているサッシをいいます。

(A-4であれば2㎥の漏気量が認められています。)

これはサッシ各部の隙間合計が、引違いサッシの4560であれば直径約54mm、6060であれば直径約64mmの穴の面積に相当する隙間があることを示します。

 

今回採用した中でも、一番大きい引違窓の寸法は3.90m×2.20mでしたから面積は8.58㎡。

昨日の測定によれば、内外圧力差9.8Pa時の通気量は65.9㎥/hでした。

1.00㎡当たり2㎥/hの漏気量が気密等級A-2の規格であれば、8.58㎡の窓は17.16㎥/hまで認められることになります。

他の引違窓もあります。

1.65×2.20の窓×3+1.20×2.20の窓×2の合計面積は16.17㎡。

これらの引違窓を足すと、49.50㎥/hになってしまいます。

全ての小窓も足してみましょう。

1.20×0.50×1

0.75×0.50×9

1.65×0.50×1

1.20×0.50×2

1.20×1.10×1

0.98×0.50×1

玄関ドアは除きます。

合計面積は7.81㎡。

これに2㎥/hを掛ければ15.62㎥/hとなります。

全ての窓の漏気量を足せば、65.12㎥/hです。

65.9㎥/hより多い

実際には、窓の気密性能は2㎥/hよりも良いということなんでしょうね。

内外気圧差も10Paに満たないし・・・。

でも、これって『家の隙間=窓の隙間』を表しているのでは

躯体の隙間を限りなく小さくしても、窓の隙間を無くさなければ隙間の合計面積は減らない・・・。

気密性能における窓の影響は思った以上に大きいようですね。

やっぱり、窓を覆った気密性能を出してみたいなぁー。

 

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