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「この家、とにかく寒いんです。」
「なんで寒いのかを知りたくて・・・。」
今までお住まいになっていた家を解体することになって、お施主様が漏らした言葉です。
解体中の様子を公開しても構わないとの事ですから、解体の様子を少しだけ見ていただきましょう。
足場を掛け、メッシュシートで養生された現場をカシャリ。
建物は全く見えません。
少しづつ、壊れていきます。
増改築したようですね。
使用している断熱材が所々異なっています。
密度10kgのグラスウール50mmに変わりはないんですが、なぜかメーカーが違う・・・。I
2012年時点の住宅ストック約5000万戸の断熱性能の内訳を示したグラフです。
現行の省エネ基準とほぼ同じ性能を有している住宅の割合は5%というから驚きます。
今回のお宅は、グラフ中の『古い断熱基準の家』に該当。
恐らく37%に当たるS55年基準の家だと思われます。
冬の暖房状況を調査したデーターとなりますが、東京の朝の室温は12℃という結果になっています。
確かに寒いですよね。
でも、古い断熱基準の家では仕方ありません。
取り除いた断熱材を見てみると、カビが生えたり黒く変色しているものはありませんでした。
もちろん、断熱材の裏表を間違えるなんてこともありません。
室内側に防湿層を向け、外気側に透湿層を向けてあります。
毎度毎度のことですが、断熱材と室内側の石膏ボードの間に空気層が出来ていました。
正にイラストの通りの施工です。
昔の家ですから、基礎断熱なんてありません。
床下温度は外気と変わらず冷たい・・・。
そして気密性能が悪いから、暖められた空気は天井から外に抜けてしまいます。
壁の中は気圧が下がるので、床下から冷たい空気を引っ張ります。
そして壁の中で暖められ、上に向かう気流となります。
室内で暖房をかければかける程、上昇気流が増え床下から冷気が侵入する・・・。
正に悪循環です。
壁下地である石膏ボードのすぐ裏に、冷たい外気があれば壁は冷たいでしょうね。
典型的な寒い家だと思います。
1階床下にスタイロフォームが入っている部屋もありました。
でも断熱材が下に落ちててしまい、床板と断熱材の間に空気層が出来ています。
本当は、石膏ボードや床板に断熱材を密着しないといけません。
床下の冷気が壁の中に入らないような構造が望ましい訳です。
こうした構造になっていず、壁の断熱材が石膏ボードに密着していると、断熱材内部に上昇気流が発生します。
内部結露を起こしていたかもしれませんね。
そうなれば躯体の劣化も促進され、もっと悲惨な事になっていたかも・・・。
寒い家は辛いけど、その分家自体は長持ちします。
得てして、中途半端な断熱改装をした家がこうした被害に逢いやすいんですよね。
気密・防湿施工の出来ていない断熱施工ほど怖いものはありませんから。
窓の性能不足も否めません。
当時はアルミサッシに単板ガラスが当たり前。
硝子で冷やされた冷気が部屋全体の温度を下げてしまいます。
暖房しても、暖かい空気は上に上がってしまいます。
床と壁は冷たいまま。
辛いですよね。
でも、ご安心ください。
今度の家は暖かいですよ。
光熱費だって下がります。
だって
健康・快適で省エネできる『FPの家』ですから。
あと1週間もしないうちに解体工事も終わります。
待ち遠しいですね。
もう少し、待ってください。
posted by Asset Red
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