準備完了です。

今日は現場休業日。

静かなものです。

『FPの家 Y邸』

明日からの作業に備え、準備は万全です。

えっ、明日の作業は何かって?

はい、土台敷きなんです。

土台敷きって何するの?

基礎の上に基礎パッキンを敷き込み、その上に土台を載せ、アンカーボルトで緊結します。

詳しい様子は明日ご報告するつもりですが、今回はその準備について簡単に書いてみたいと思います。

まずは、この写真をご覧ください。

先日配管廻りの止水処理を終わらせらたため、土入れおよび整地が完了しています。

本来であればGLから410mmある筈の立上りは200mm程度、やっぱり低く感じます。

建物の経年劣化を考えると、本来基礎の高さはGLから400mm以上確保することが望ましいと言われています。

その理由は色々あるようですが、代表的なのは次の2つでしょうか?

地面に当たった雨水の跳ね返りを防ぐことで、土台の劣化を軽減できる。

地面から離すことで、地面からの湿気による劣化を軽減できる。

また基礎高さをめい一杯高くすれば、床下の行き来も楽になり床下メンテナンスが容易となり、建物の寿命を延ばすことも可能となります。

反対に基礎を高くするデメリットもあります。

基礎工事費が上がる。

建物への昇り降りが面倒になり、費用も嵩む・・・。

基礎は低い方が恰好良いという人もいますし、高い基礎は見栄えが良いという人もいます。

どちらにするかを決めるのは建主となりますが、低くするのであればそれなりの工夫も必要となります。

基礎の打継ぎ部や配管廻りからの水やシロアリの侵入防止。

雨水の跳ね返りを防止できる地表仕上げ。

基礎内の防湿対策等々・・・。

意匠を気にする為には構造や劣化軽減についての工夫が必要なんです。

なんの裏付けもないのに、恰好良さを求めるのは大変危険だと思います。


すっかり脱線しちゃいました。

土台敷きのための準備の話でしたね。

先程の写真の中にもヒントが隠されていました。

そう『土台墨』です。

基礎の天端に記された黒い線を言います。

土台敷きの際にはこの線を目安にして土台を載せます。

土台はプレカット工場で予め加工されています。

現場で大工さんが行うのは、大きく分けると以下の3つです。

①アンカーボルト用の穴明け

②基礎パッキンの敷き並べ

③土台の設置

この3つ全てに関わってくるのが、土台の配置となります。

いつもであれば、墨入れは土台敷き当日に行います。

でも、明日は雨が降るかもしれません。

残念ながら、墨は濡れたところに付けることができません。

よって、予め晴れた日に付けておきました。

これで雨で濡れても大丈夫。

写真は、型枠を取外す際に邪魔になる『遣り方』を撤去する時に書いておいた土台墨です。

遣り方貫に記された基礎の墨を水糸と差し金を使って、基礎天端に書き写します。

この墨を利用して、土台の線を標すのが墨付けです。

墨付けには墨壺を使います。

その使用方法は以下の通りです。(以下、モノタロウ通販サイトより転写

①墨を詰める

 墨を含ませるためのタンクを開き、中のスポンジや綿の上に墨汁を少量ずつ垂らします。

墨汁は墨つぼに付属している場合もありますが、自分で用意する場合は墨汁の水分量に注意が必要です。

墨汁に水気が足りないと転写が出来ず、反対に水気が多すぎると滲みの原因になります。

適切な状態の墨汁をタンク内部に染み込ませたら、そっとタンクの蓋を閉じて密閉しましょう。 

また、墨つぼに墨汁を詰めてから時間が経つと、水分が蒸発して墨汁の濃度が高くなってくることがあります。

この場合は適宜水を補充することで対応してください。

墨を詰める

②墨糸を引き出す

 墨つぼの先端部分の猿子(または仮子)と呼ばれる針を取り外し、線を引き始めたい箇所に刺して固定します。

その後、墨つぼ本体を猿子からまっすぐに引き離し、そっと墨糸を引き出しましょう。

糸巻きから繰り出される墨糸が、タンク内部の墨汁が溜まった部分を通過して、墨汁を含みながら外部に出てきます。

墨糸を引き出す

③墨糸をはじく

線を引きたい部分の終わりまで墨糸を引き出したら、伸ばした墨糸の真中部分を指先で軽くつまみながら、墨つぼ本体を材料に当てます。

しっかりと良い位置に固定できたら、墨糸をつまんだ指を軽く弾きましょう。すると、

墨糸全体が材料にパチンと当たり、墨が材料に転写されます。

墨糸をはじく

このとき、墨つぼ本体側にあたる墨糸の端が浮き上がってしまい、うまく端まで転写できないことがあります。

不慣れな方は、墨糸を材料の表面に押し当てるためのガイド機構が備わっている製品を使うと安心です。

墨を染みこませた糸の両端をそれぞれのポイントに押し当て、糸を垂直に引き、糸を離せば真っ直ぐな線が引ける。

墨壺って便利な道具ですよね。

この作業を数回繰り返せば、作業は完了です。

こんな風になります。

この線を目安に基礎パッキンを敷き並べ、土台を置く。

アンカーボルトの穴を明ける際にも役に立ちます。

何事も事前の段取りで全てが決まります。

今回は明日の作業をスムーズに行うための準備作業について、書いてみました。

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