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今日は晴れています。
暑くなりそうですね。
『FPの家 Y邸』
昨日は天気が良くなかった為、構造金物の取付を主に行いました。
地味な作業ですが、重要な作業でもあります。
小屋廻りに鋼製火打を入れたり。
梁同志の継手に短冊金物を取付けたり。
小屋束と母屋の仕口に鎹(カスガイ)を打ち付けたり。
鎹って、『子はカスガイ』のカスガイです。
両親をつなぐ強い絆をイメージしますが、耐力的にはたいした事ありません。
よって、母屋と小屋束の仕口部分くらいしか使わないんです。
いざという時には、あまり役に立たない。
これって、子供も同じだったりして・・・。
反対に土台や梁と柱の仕口を補強する『柱脚・柱頭金物』の耐力は非常に大きく、いざという時にしっかりと役立ってくれます。
ホールダウン金物です。
写真の物であれば、風や地震の影響で柱が土台から引き抜かれようとした際に大きく抵抗してくれます。
その引抜荷重は留め付けるビスの数により、15~30KN(キロニュートン)にも及びます。
他にも数種類の金物を使って、許容応力度計算で求められた引き抜き荷重に基づいて補強をしています。
以前は引抜荷重の単位は『t(トン)』を利用していました。
でも最近は『KN』を使います。
ニュートンは重量の単位です。
重量が重力によって2つの物体の間に働く力と定義されているので、地球表面において質量1キログラムの物体の重量は約9.81ニュートンとなります。(場所によって10分の数パーセント異なる事になりますが、便宜上この値を使います。)
この値を1重量キログラム (kgf)といいます。
例えば30KNの場合
30KN≒30,000N/9.81≒3,058㎏≒3.0t
なんだ、従来とたいして変わらないじゃん・・・。
柱は土台の上に載っています。
もちろんホゾが土台に挿さっていますが、これは引抜きには何の効果もありません。
補強金物の付いていない柱は、地震や台風の時に浮き上がってしまい、外れてしまうかもしれない・・・。
釘なんて打っても、たいした効き目ありません。
金物の重要性、ご理解いただけたでしょうか?
同様に、梁同志の仕口を補強する金物も重要です。
梁と梁を留める羽子板ボルト。
柱と梁の仕口にも使います。
元々、プレカットの仕口は宮大工の加工形状を踏襲し簡易化したものと聞いています。
写真は『大入蟻』と言われる仕口形状です。
一般的に仕口が挿さる材を雌材と言い、挿す材を雄材と言います。
先端の楔型の部分を蟻首と呼んでいますが、これがある事で雄材と雌材の引き抜きに抵抗するそうです。
また蟻首の回りが1段、半円形に出っ張っているのにお気付きでしょうか?
大入れと呼んでいます。
木材は乾燥に伴い、捻じれる恐れがあります。
この動きを抑制するのが大入れの役目なんだそうです。
しっかりと大入れが嵌っていれば、雄材の捻じれを雌材が抑えてしまいます。
こうした仕口であれば、そもそも金物による補強は不要だという方もいますが、羽子板ボルト等で補強するのが一般的となっています。
今日は晴れたので、防蟻業者が現場で作業中。
なにやら、土台・大引きと、柱の土台上端から1.0m以下の部分にオレンジ色の液体を噴霧しています。
オレンジ色の液体は『ホウ酸水溶液』。
そう、防蟻処理です。
劣化対策工事なんて呼ぶ場合もあります。
ホウ酸を塗ることで、シロアリや木材腐朽菌の繁殖を防ぐ事が出来ます。
『FPの家』の場合、柱間に断熱パネルを入れてしまうと柱側面に防蟻剤を塗布することが出来ません。
ですから、早いタイミングでこの作業を行う必要があります。
あれ
FP断熱パネルの中の枠材はどうなの・・・。
ご安心ください。
FP断熱パネルに使う木材は、工場で予めホウ酸処理してあります。
だから、シロアリ&腐朽菌に対しても安心なんです。
小屋では屋根垂木の取付を行っています。
随分と大きな垂木でしょ?
2×6材を使っています。
垂木の間に『FP遮断パネル』を充填するため、このサイズが必要なんです。
垂木と桁にはヒネリ金物が留め付けられ、風による軒の煽り対策となっています。
写真は小屋梁に掘られた隅木の為の加工です。
こんな感じに隅木が納まります。
写真右側手前の2枚の板が合わさったものが隅木です。
弊社では2×10材を2枚抱き合わせて使っています。
垂木の取付も今日中に終わりそうですね。
垂木の間には、何かが立て掛けられています。
一部、取付けられたところを撮ってみました。
ギンギラ輝くコレ、『FP遮断パネル』と言います。
屋根垂木間に充填する断熱材です。
裏から見るとこんな感じです。
お馴染みの『F&P』のロゴマークが目立ちます。
とっても凄い断熱材なんです。
でも、これからのシーズンはきついんですよね。
太陽光を反射するので、とにかく眩しいんです。
サングラスが欲しくなります。
そして暑いんです。
まさに、日光浴の際に使う銀色のマットと同じです。
上で作業をすると汗がダラダラ流れるのが判ります・・・。
その凄さについては、後日報告したいと思います。
お楽しみに・・・。
posted by Asset Red
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