凄いんです!

暑いですねー。

今日の練馬・板橋の太陽は、かなり頑張っています。

まだ夏は先ですよー、あんまり頑張らなくてもいいのに・・・。

『FPの家 Y邸』

昨日、屋根垂木の取付が無事終わりました。

写真は昨日のブログで紹介した『FP遮断パネル(以下、屋根パネル)』。

銀色に輝く存在でした。

そして・・・

今日の姿はこんな感じです。

緑色になっている・・・。

屋根パネルの厚さは105mm。

硬質ウレタンフォームと木枠、そしてクラフト紙で構成されています。

屋根パネル裏面はベージュ色のクラフト紙。

小口と側面は全て、木枠が回っています。

そして表面は緑と銀のクラフト紙です。

このクラフト紙が凄いんです。

表は緑色、そして中身は銀色になっています。

コレ、遮熱通気層になっているんです。

最初の状態は、通気層を畳んだ状態でした。

そして、今の状態は遮熱通気層を起こした状態になっています。

そう、折り込まれたクラフト紙の耳を屋根垂木にステップルで留め付ければ、遮熱通気層が出来る仕組みになっているんです。

屋根パネルを下から撮ってみました。

下に見える杉板が屋根パネルの木枠です。

そして上にあるのが野地板、厚さ12mmの針葉樹合板を使っています。

屋根垂木の高さは140mm、断熱層は105mm、そして2層ある遮熱層の合計は35mmになります。

FP遮断パネルは

①硬質ウレタンによる断熱。

②遮熱通気層による日射反射と排熱。

そして

③4周にある木枠により屋根垂木への固定が容易かつ完璧に行える。

というのが特徴です。

1番目の断熱はわかりやすいと思います。

硬質ウレタンフォーム2種2号の熱伝導率は0.024W/mK、厚さ105mmの場合の熱抵抗は4.37となります。

これは、一般的に使われるグラスウール(16K)197mmに相当するんです。

意外とたいしたことないんだな・・・。

なんて思った方もいるでしょう。

垂木の高さが140mmあるんだから、断熱材の厚さを140mmにすればいいのに・・・。

と思う方がいるかも知れませんね。

ちなみに厚さ140mmにした時の熱抵抗は5.83、グラスウール263mmに相当します。

どうして、こうしないのか?

その理由は後程説明させていただきます。

断熱は熱伝導率と厚さで決まります。

だから性能の低い断熱材であっても、厚さを増して使えば同じ事になります。

だからこのお宅では、北側斜線の影響で母屋下がりになる部分にだけ屋根パネルを使っています。

残りの部分には『セルロースファイバー』を400mm吹く予定です。

ちなみにこの場合の熱抵抗は10.5、グラスウール(16K)474mmに相当します。

何故セルロースファイバーを採用したのかについては後日改めて説明させて戴きますが、ここでポイントとなるのは性能の高い断熱材でなければ断熱材を厚くする必要が発生し、天井高さが益々下がってしまうという事です。

次のイラストをご覧ください。

寒冷地における建物内外の温度差を示しています。

屋根温度-10℃、室内温度22℃、内外温度差は32℃になります。

温暖地であれば、その差はもっと少なくなるでしょう。

こちらは、温暖地における建物内外の温度差を示しています。

屋根温度70℃、室内温度27℃、内外温度差は43℃になります。

つまり、屋根の断熱を考えるのであれば冬ではなく夏を意識する必要がある訳です。

夏の断熱を意識するのであれば、断熱材を厚くすることも重要ですが、遮熱・排気を考えることはもっと重要となります。

こんなデーターがあります。

遮熱通気層の有無による断熱材表面温度の違いを比較したものとなります。

野地板の裏面温度は、どちらも74.9℃。

2層の遮熱通気層下の断熱材表面の温度は30.9℃です。

一般的な通気層の場合の断熱材表面の温度は48.1℃、その差は17.2℃にもなります。

これが、断熱材の厚さを小さくしても遮熱通気層を大きく取る理由です。

そして、木枠があるメリットもたくさんあります。

繊維系断熱材の施工による断熱性能の低下を示した資料です。

良い施工に比べ、押込み過ぎの場合は16%の性能低下となります。

隙間があれば、33%も低下する事になります。

また、経年による断熱材や木材の痩せ・地震の際断熱材自体が垂木間から脱落する場合だってあり得ます。

こうなったら、100%低下することになる・・・。

でも屋根パネルに施工不良はありません。隙間なく並べれば良いだけですから。

断熱パネルは向上で高精度に製造されて現場に届けられます。

全て注文生産で、現場の寸法に合わせて作られています。

水分を含みにくい材料の為、含水率の低下による断熱性能の低下も起こりにくい。

そして、木枠と垂木を木ネジで固定する事で脱落を防ぐことが出来る。

とにかく凄いパネルなんです。

あーっ、まだ説明したりない・・・。

でも、取り敢えずここまでとします。

桁と屋根垂木の取合いを撮ってみました。

垂木の勾配に合わせて桁の角を落としています。

『垂木削り』と言います。

これがあるお蔭で、垂木間に充填された屋根パネルと桁の接点が大きくなり、座りが良くなります。

裏から見ると、こんな感じです。

FPの家は、FP断熱パネルの内側で気密・防湿層を取るのが基本なんです。

だから、こんな所にも施工上のポイントがあります。

こうしたポイントもご紹介しつつ、今後も家づくりについて書く積りです。

引き続き、ご贔屓にしてください。

屋根パネルの上に野地板が敷かれていきます。

野地板には予め455mm毎に墨が引かれていて、この線を屋根垂木に合わせて釘で留めていきます。

使う釘はN50釘、これを150mm間隔で打ち付けます。

夕方近くに現場を訪ねてみると、既に野地合板の施工は終わっていました。

しかも、屋根の下葺材の施工も終わっています。

明日は雨になりそうなので予定を早めてもらい、16時から作業をお願いしていたのですが大工さんの作業が思いの外早く終わったようですね。

施工風景を見たかったので残念です・・・。

今回、初めて『透湿性屋根下葺きシート』を使ってみました。

セーレン社の透湿性ルーフィング『ルーフラミテクト』を使用することで、野地板の湿気を通過させ、最終的に屋根材の隙間から排出させることができるようになります。ルーフラミテクトRX 呼吸する屋根

そうすることで小屋裏の湿気を逃がし、結露による被害を防ぎ長寿命住宅を実現することが可能です。

アスファルトルーフィングの200倍以上の透湿性

最近野地板のふけやカビが問題になっていますが、今のところ弊社ではこうした現象が現れていません。

でも、何らかの対策は打っておきたいと思います。

このシートを使うことで、こうした問題が防げるのかどうか?

問題点が無いのかどうかの検証もしたいと思っています。

でも、こうしたタイプの下葺材は、とかく釘穴廻りからの漏水が心配されています。

この点についてもセーレン社独自の止水加工で問題ないようですね。

釘穴からの雨水の浸入を防ぎ、住まいの耐久性を向上させるようです。

構造と止水原理

また、その他にも以下のようなメリットがあるといいます。

①重量はアスファルトルーフィングの約1/5、作業性が良くなります。

滑りやすくなるという話を良く聞きますが、5寸勾配までは問題ないようです。施工時の安全性に優れています。

夏期の直射日光の熱による変形や冬期の低温による硬化が少なく、耐候性・施工性に優れています。

引き裂き強度はアスファルトルーフィングの10倍以上、耐久性・耐熱性にも優れています。

塩ビ素材を使用しておらず、焼却してもダイオキシンなどの有害ガスが発生しません。

屋根材や野地板との密着がなく建物の解体時に分別回収が可能です。

とにかく、良い事づくめのようです。

本当に施工性いいのかな?

それを自分の目で確かめたかったのに・・・。

でも大工さんに依れば、30分程度で完了して帰ったとの事。

従来の下葺材よりも早く終わるのは間違いないようですね。

これで、雨が降ってもひと安心。

でも、やっぱり雨はゴメンです。

posted by Asset Red

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