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今日も蒸し暑いですね。
『FPの家 Y邸』
現場に近づくと、大きな音が聞こえます。
「ドン・ドン・ドン!」
FP断熱パネルの取付けを行っているんです。
以前にも書きましたが、FP壁パネルは全て特注品。
現場に合わせた寸法で工場から運ばれます。
柱間が805mmであれば、パネルの巾は803mm。
そして厚さ3mm程度のウレタンスポンジが両側に貼られています。
パネル厚さは105mm。
土台と梁の間が2700mmであれば、パネルの長さも2700mm。
これを柱間・土台-梁間に入れなければなりません。
パネルが少しでも傾いてると入らないんですよねー。
そこで必要になるのが『ウレタン掛矢』です。
上の画像が欲しくて『ウレタン掛矢 画像』と検索したらビックリ!
弊社の大工さんがFPパネルを掛矢で叩いている画像がたくさん出て来ました。
写真のように、ウレタン掛矢を使って叩き入れます。
(ちゃんと現場で撮った写真です。)
叩くポイントはパネルの周辺部と中央に入っている木枠部分。
それ以外の部分を叩くと、硬質ウレタンが凹んでしまいます。
左右そして上下を少しづつパランス良く叩いていかないと、きれいに納まりません。
1枚当たり50~60程度も叩くんですよ、凄いでしょ。
大きさにも依りますが、ウレタン掛矢の重量はおよそ5㎏。
結構重いんです。
今回の現場では、床・壁・屋根合わせて187枚のFPパネルを使っています。
そのうち壁が77枚、1枚当たり50回としても3850回も叩く計算です。
絶対筋肉痛になる・・・。
木製の掛矢の方が2~3㎏も軽いので不思議に思い、以前に聞いたことがあります。
「なんで木製掛矢を使わないの?」
「木製だと、音が響いて近隣に迷惑をかけるから・・・。」
との事。
ありがとうございます。助かります・・・。
本当にうるさいんですよね。
振動も伝わります。
古い家が隣に建ってたりすると、ガラスがガタガタ震えているのが判ります。
「ピッタリつくってるから、叩かないと入らないんでしょ?」
「もっと小さくつくって叩かないで入れてよ。」
「本当に近所迷惑だわ・・・。」
なんてお叱りを受けた事もありました。
でもこのピッタリのパネルを入れることで、気密・防湿・耐震・断熱といった機能を果たすことができるんです。
隙間をつくって入れる訳にはいきません。
だから写真のようにパネルと構造金物が干渉する場合には、以下の作業が必要となります。
現場発泡ウレタンを充填し
平らに切削し
隙間があれば、更に充填します。
その上に空気や水蒸気を通しにくい『アルミ気密テープ』を隙間なく貼ります。
そしてこの上に石膏ボードを張ります。
梁に開けられた構造金物廻りの『座彫り』も同様です。
現場発泡ウレタンを充填し、硬化後切削し、アルミ気密テープを貼ります。
屋根パネルと桁の取合い部にも、現場発泡ウレタンを充填します。
そして、アルミ気密テープを貼ります。
屋根パネルと木部のジョイント部分もアルミ気密テープでしっかりと隙間を塞がなければなりません。
床合板と壁パネル
壁パネルと梁・柱
妻壁パネルと木部
梁の継手も
テープ処理が必要です。
テープ処理をする前の壁パネルです
隙間なんて無いように見えますが、しっかりとテープ処理をしなければなりません。
こんな実験結果があります。
1.0m×1.0mの石膏ボードを一冬に通り抜ける水蒸気の量は1/3リットル。
そこに2.0cm×2.0cmを開けると、通り抜ける水蒸気の量は30リットルに増えるんです。
だから、隙間は限りなく小さくしないとなりません。
これも、健康・快適な省エネ空間をつくるための工夫です。
こうしておけば壁内結露も無くなり、いつまでも建物の性能を維持することが出来ます。
ガルバリウム鋼板に砂を吹き付けた屋根の施工もほぼ終わりました。
この屋根、便利ですよ。
6寸勾配までなら雪止め金具も要りません。
表面のザラザラに雪が食いつき、雪止効果が期待できるんです。
下葺材との間に空気層があるから、透湿ルーフィングを透過した水蒸気も抜けるようになります。
だから、屋根材と下葺材の間でカビが生えたり腐朽菌が繁殖することもありません。
棟の部分に設けられた開口に
部材を取付けスリットにします。
そして換気棟を、その上に取付けます。
いつもより多めを心掛け、棟全体に取付ました。
これで、小屋裏の暑さ対策&結露対策はバッチリです。
壁パネルの外側に張る外壁合板も到着しました。
今回採用したのは『ハイベストウッド』、厚さ9mmのMDFボードです。
耐震性が高く、透湿抵抗が低いのが特長です。
工事中の雨なので、壁パネルとボードの間に水分が入っても大丈夫。
湿気はボードを透過して、通気層に抜けるんです。
中々面白いボードですよ。
えっ、何が面白いのかって?
それは後日のお楽しみ・・・。
posted by Asset Red
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