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今日は日曜日、現場はお休みです。
6月10日に構造現場見学会を開催する『FPの家 Y邸』。
工事の進捗状況を確認して来ました。
進み過ぎていてもよくないし、見ていただきたい部分が出来ていなければ意味がありません。
見学会に合わせて進捗を調整する訳にもいかないし・・・。
毎回のことですが、ヤキモキします。
構造見学会で見て戴きたいポイントは、概ね以下の通りです。
①FPパネルによる断熱・気密施工の様子。
②現場発泡ウレタンを使った断熱欠損部および熱橋の対処方法。
③気密テープや防湿フィルムを使った防湿・気密処理の方法。
④合法木材(国産材)を多用した構造材と、許容応力度計算に基づいた耐震施工。
⑤換気システム施工や空調施工に伴う気密施工。
⑥電気配管・配線および水道配管と気密施工。
他にも色々あります。
シーズンにも依りますが、一切の空調を行わない状態における自然温度を体感していただく事も重要です。
夏であれば
「冷房を入れている訳でもないのに、意外と涼しいんですね。」
とか
「ロフトがこんなに涼しいなんてビックリしました。屋根の断熱材がしっかりと効いているんですね。」
なんて言われると嬉しくなります。
また冬であれば
「暖かくてびっくりしました。」
「暖房している我が家の方が寒いかも・・・。」
と言って欲しくて、寒くなることを願っていたりして・・・。
現場の方は、こんな感じです。
構造材が程よく覗けます。
でも、間もなく天井野縁を組み気密シートの施工を行う予定。
見学会の時には、オレンジ色をした気密シート越しに構造材を見ることになると思います。
座彫り部分の、ウレタン充填も始まりました。
現場発泡ウレタンを充填。
発泡・硬化後、のこぎりでカット。
平らに削ったら
アルミ気密テープを貼ります。
防水バルコニー下には、厚さ105mmのウレタン床パネルが充填されています。
写真はウレタン床パネルと構造金物の干渉部を撮ったもの。
ウレタンを欠き取り、金物をしっかりと固定します。
そこに現場発泡ウレタンを充填。
発泡・硬化したら、平らに切削しアルミ気密テープを貼ります。
ウレタン壁パネルと柱脚金物の取合い部も同様の処理を行います。
ウレタン断熱材は『スキン層』と言われる発泡時に表面に出来る固い膜がキモなんです。
発泡したウレタンの構造はなんとなく食パンに似ています。
外側の耳がスキン層。
そしてスキン層の内側には食パンの白い部分に相当するものがあります。
ご存知でしょうか?
一般的な断熱材は、断熱材内部に動かない空気を持っていて、これが保温効果を高めているんです。
でもウレタンは、空気の代わりに内部の微小な空間に不活性ガスが存在します。
このガスが空気よりも高い保温性を実現している訳です。
でもこのガス、時間と共に少しづつ空気と入れ換わってしまいます。
これを『置換』と言います。
ガスが空気に変わったら、断熱性能落ちちゃうじゃん!
その通りです。
断熱材の種類によって、その差は異なります。
スキン層の有無が大きく影響するようですよ。
つまりスキン層が多い断熱材ほど、性能低下が少ない。
だから発泡・硬化したものをカットした場合は、スキン層の代わりにアルミテープを貼って保護しなければならない・・・。
この作業を怠ると、性能低下するかも・・・。
ちなみに大抵の発泡プラスチック系断熱材は、大きな板を作り、これを必要なサイズに裁断しています。
よって、スキン層の無い部分が多くなります。
だから性能低下は避けられない。
でも、FPパネルは注文生産品です。
現場でカットする事は、それほど多くありません。
表面がクラフト紙で覆われているため見えませんが、木枠の内側にはしっかりとスキン層が存在します。
故に経年劣化が少ない。
実は築17年を過ぎたモデルハウスを解体した際に、ウレタンの熱貫流率を計測した事があります。
上の画像は動画から複写しました。
計測結果をFPの家のホームページにて、是非ご覧ください。
ネタバラシをしちゃいます。
性能劣化はほとんど無かったそうです。
凄いでしょ。
コツコツと作業を積み重ねなければなりません。
でも、その成果は確実に実を結びます。
見学会の際には、こうした処理が終わったところを見て戴けるでしょう。
地震に強いウレタンパネルに触ってもらう事も出来ます。
断熱材って、フワフワしていて頼りないイメージですよね。
でも、そんな事ないですよ。
バンバン叩いたって、割れません。
見学会まで、3週間。
進み過ぎちゃうかな・・・。
ちょっと心配です。
posted by Asset Red
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