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シックハウス症候群という言葉、最近聞かなくなりましたね。
症状に悩む人が少なくなったということなんでしょうか?
その理由は
F☆☆☆☆建材の使用が義務付けされたから?
それとも、24時間換気の設置が義務付けされたから?
シックハウス新法が功を奏したということなんでしょうね。
住宅紛争処理支援センターに寄せられたシックハウスに関する相談件数
『住宅品質確保法』および『住宅瑕疵担保履行法』に基づいて住宅紛争処理支援センターが設立されました。
上図はここに寄せられた、シックハウス症候群に関する相談件数を示したものです。
新法が施行された2003年では546件と最も多くなっています。
その後は急激に減少し、2009年以後では2003年に比べて約1/5程度になっています。
それでも年間100件程度のシックハウス症候群に関する相談が未だ寄せられているようですね。
また消費生活に関する相談の受けることを目的として設立された独立行政法人国民生活センターに寄せられた、消費者からの1997~2008年までのシックハウス症候群に関する相談件数は2003年にピークを迎えています。
その後400~500件の間を推移し、あまり大きく変わっていません。
このような相談件数から推察すると、未だにシックハウス症候群を患い悩む人々が数多くいるようですね。
シックハウス問題は概ね解決したという認識は改める必要ありという事でしょう。
でも何故?
ホルムアルデヒドの放散量が減ったのは間違いないですよね。
その他のVOC(揮発性有機化合物)放散量だって、それなりに減っていると思います。
だとすれば、24時間換気が効果を果たしていない?
電気代が勿体ないから電源を切る。
フィルター清掃を怠り、機能低下している。
これらは居住者が『24時間換気の必要性・重要性』を理解していないのが原因です。
設計者・施工者の明らかな説明不足だと思います。
機器メーカーの発信が足りないとも言えます。
後者に関しては、清掃性の容易な設置になっていないという問題も含んでいますが・・・。
それでも、キチンと必要性・重要性を理解していれば解決できると思います。
換気装置が機能していないケースも考えられますよね。
ダクト配管などの施工不良が原因で、圧損過多により風量が確保できていない。
換気装置は、設置すれば良い訳ではありません。
正しい設計が前提ですが、正しい施工が伴わなければ効果は期待出来ないんです。
そもそも、換気装置が適正な稼働をする為の条件を満たしていないケースもあるようですよ。
上図は、以前に設置した24時間換気システムの更新を相談された際に、パナソニックのホームページで見つけたもの。
第3種機械換気と建物の気密性能の関係を示しています。
気密性能を表すC値と自然給気口からの給気量に関する解説です。
第3種ダクト式換気システムのようですね。
トイレ・お風呂・厨房等のダーティゾーンから機械排気を行っています。
イラスト中、オレンジの↑で描かれた風量合計は150㎥。
建物内は負圧となり、外壁に設けられた自然給気口や建物の隙間から外気が侵入します。
自然給気口は居室に設けられるのが一般的です。
侵入した外気は、室内空気と混じり、汚染空気を希釈しながらダーティゾーンに移動します。
だから、トイレの臭気や厨房・お風呂の水蒸気が居室に逆流することもありません。
これが正しい第3種換気の在り方です。
解説にはこうあります。
『室内外温度差が20℃ある場合、建物のC値が1.5㎠/㎡よりも大きいと、給気口から逆流し始めます。』
C値が1.5㎠/㎡よりも大きい建物なんて、沢山ありますよね。
外気を採り入れる筈の給気口なのに、汚染空気を排出してるなんて・・・。
居室の空気が自然給気口から出てしまったら、どこから給気するの?
イラストの青い矢印を見てください。
窓にもありますよね。
別に開けている訳ではありません。
大抵の窓は閉じている状態であっても、隙間からの換気が行われているんです。
窓だけではありません。
床と壁の取合いだったり、コンセントだったり・・・。
色んな所から隙間風が入って来ます。
壁の中、床下等の空気って新鮮なんですかね。
躯体に散布されたシロアリ予防剤は大丈夫なのかな?
冬なんて冷たいですよね。
この現象は換気扇のスイッチを切れば無くなります。
だから、スイッチ切るんだ・・・。
結論です。
気密性能の低い建物では、第3種換気システムは満足に機能しません。
C値=1.0㎠/㎡がボーダーラインになると思います。
C値と自然給気口から入る外気量の関係を示したグラフを示します。
日本住環境のカタログから引用しました。
C値0.5㎠/㎡の家でも、自然給気口からの給気は全体の約66%に過ぎません。
弊社の標準C値は0.3㎠/㎡ですから給気量は約80%。
ビックリですよね。
こうした情報って、意外と少ないんですよね。
だから、ドンドン出していきたいと思います。
あなたのお宅の24時間換気システム、キチンと機能していますか?
排気風量と給気風量を測定することをお勧めします。
posted by Asset Red
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