23年目の真実

いゃー、暑かったですね。

今日の練馬・板橋は暑くってもう・・・。

『FPの家 U邸』

築23年目の弊社OB宅です。

木造軸組み工法3階建て。

換気風量の測定を行いました。

実は先日お電話を戴き、換気システムの更新を依頼されたんです。

その後、日本住環境㈱(以下NJK)の依頼を受け

「どうせ更新するならば、現状の風量を測定してみませんか?」

思い切って、お願いをしてみた結果です。

U様のありがたいご厚意で本日換気風量測定の運びとなりました。

 メンバーは計7名。

 NJKが5名(但し途中で3名が抜け、最終的には2名)。

 そして私。

 日経BPのA記者も同行してくれました。

なんたって築23年のお宅です。

当然、設計図書は保管しています。

でも、換気システムに関する図書だけがないんです。

残念ながらU様もお持ちではありませんでした。

よって事前に下調べを行いました。

その時にわかった事は、以下の通りです。

①ナショナルの第1種熱交換型換気システムと個別換気扇で構成された24時間換気システムである。

②換気システムとは別に熱交換式の天井扇×1台が、ご主人の喫煙用に設置してある。

③1・2階トイレの換気扇は感知式になっていて、使用時にのみ作動するようになっている。

④お風呂の換気扇はスイッチのオン・オフで作動するようになっている。

⑤給排気口の位置は確認出来るが、ダクトルートを確認する事はできていない。

⑥全体風量や吸排気の個々の設計風量は未明である。

ちなみに

Q値は1.652W/㎡・K

C値は0.47㎠/㎡

延べ床面積は31.0坪

となっています。

奥様のお話を聞かせて戴きました。

「気になる所の給排気口に付いたフィルターは、時々清掃しました。」

「でも、全然掃除していない所もあるんですよー。」

「汚いから、恥ずかしいわ。」

全然、そんな事ありません。

予想を大きく裏切られました。

もっと汚いと思っていたのに・・・。

写真はトイレの壁付パイプファンの風量を測定しようと準備している担当者の後ろ姿です。

グリルは確かに汚れていました。

1・2階で風量に大きな違いがあったんですよね。

奥様に聞いてみると、最近壊れて片方だけ交換したそうです。

なるほど・・・。

道理で風量に大きな差があった訳です。

ご主人が電気関係の仕事をされている関係で、この手の更新は弊社では行っていません。

またお風呂の換気扇に至っては、壊れて風量0となっていました。

脱衣室の天井に設置された換気システムです。

フィルターを外すと埃で目詰まりしていました。

中蓋を開け、熱交換素子を外してみました。

思ったほど汚れていません。

でも足元には黒い埃がたっぷりと落ちていました。

OA

RA

EA

SA

全てのダクトを覗いています。

やはりダクト内は汚れています。

フィルター清掃って重要ですよね。

でも、簡単に清掃出来る訳ではありません。

実際に外していた方も

「これじゃー、大変です。」

脚立に立つだけでも大変なのに、どうしたら掃除できるかがどこにも書いてありません。

もちろん取り扱い説明書には書いてあるんでしょうね。

でも20数年も経てば、無くなっていても仕方ありません。

本体に書いてあれば、楽ですよね。

留め付け方法も面倒です。

ネジやバネをいくつも外す必要があります。

ウェザーカバーを覗いてみると、案の定虫や埃で穴が小さくなっていました。

当然、風量も随分と小さくなっています。

室内全ての給排気口の風量も確認しました。

グリルやフィルターはそれほど汚れていません。

でも、グリル&フィルターを外した場合と付けた場合の風量の差は3~20と大きく異なりました。

どうやら汚れ具合が関係あるようですね。

また、グリルの羽根の向きを変えるだけでも風量に違いが出ることもわかりました。

以前に受講した田島先生の換気に関するセミナーでは、第1種換気システムは第3種換気システムに比べて、フィルターの汚れによる風量低下の割合が大きいと教わりました。

だからフィルターの付いたグリルは、簡単に取り外し出来る場所につけなければならない。

ウェザーカバーも同様に、定期的に清掃出来る構造とすべきである。

今回の建物では、天井に全ての給排気口が設置されていました。

中々掃除できないですよね。

そしてウェザーカバーは、長梯子を使わなければ掃除出来ません。

清掃は全て業者に依頼するしかありません・・・。

現在標準的に採用しているものであれば、どちらも中から掃除することが可能です。

そして床から1.9mの高さに設置しているので、手も届きます。

メンテナンスの容易さって、本当に重要ですよね。

でも、第1種換気システムの場合はちょっと違います。

システム本体と外気採入口の間のダクト内清掃ができないんです。

排気口とシステム本体の間のダクトについては、第1種・第3種ともにこれと同様です。

でも排気であれば、多少汚くたって気になりません。

なにしろ捨てる空気ですから。

でも、給気は困りますよね。

長期に渡り空気の質を向上させるのが、換気システムの本来の役割です。

その為にはメンテナンスを容易に行う必要があります。

また更新の際の費用だって重要です。

換気システムの選定の際に比較するのは、初期費用・運用費用そして空調費用と言われています。

「換気システム自体が高くても運用費用が少なかったり、冷暖房費用が少なくなったりします。」

とか

「初期費用と運用費用の安さで、冷暖房費用の分なんて簡単に回収できますよ。だって、夏は温度差が少ないし冬だって4か月しかないんですから。」

なんて言って、それぞれの良さをアピールしていますよね。

そこに更新費用やメンテナンス費用を加えたらどうでしょうか?

色々と考えさせられる、今回の測定でした。

たぶん、ダクト内の様子も誌面に載ると思います。

見たら、少し引くかも・・・。

詳しい測定の様子や考察は、日経ホームビルダーの誌面で明らかになると思われます。

その瞬間を楽しみに待ちたいと思います。

当然、その際にはアピールさせていただきます。

U様、ありがとうございました。

そして、NJKの方々お疲れ様です。

日経BPのA様、記事楽しみにしています。

posted by Asset Red

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