樹脂窓、入りました。

最近、現場が増えてきました。

1件/日のペースでは、現場の状況をご紹介できません。

方法を考えないといけませんね・・・。

『FPの家 Y邸』

樹脂窓が入りました。

弊社が標準的に採用している樹脂窓。

樹脂窓の優位性は、今更語る必要もないと思われます。

でも、単なる樹脂窓ではありません。

防火設備として認定されている樹脂窓なんです。

防火設備(防火戸)が必要な開口部について書きたいと思います。

建築基準法では、防火・準防火地域に建てられる建物の外壁に設置される開口部のうち、『延焼の怖れのある部分』には『防火設備(防火戸)』を使用するように定めています。

また同法では、耐火・準耐火建築物の場合には防火・準防火地域以外に建設する場合にあっても、建物の外壁に設置される開口部も同様にするよう定めています。

延焼の怖れのある部位については、上図の通りです。

狭小地の多い弊社の商圏では、ほぼ全ての開口部がこれに当たります。

防火設備(防火戸)って、そうでない開口部に比べて相当高いんですよね。

そのくせ断熱性能は低い・・・。

どうにかして欲しいと思いませんか?

今回採用した防火樹脂窓は、エクセルシャノンのシャノンウインドです。

硝子はアルゴンガス入りLow-E複層となっています。

U値は装飾窓で1.63W/㎡・K、シャッター無しの引違窓で1.80W/㎡・Kです。

防火シャッター付引違窓であれば、1.5w/㎡・K。

防火窓としては、中々の性能だと思いますよ。

もちろん防火設備として国土交通大臣認定を取得しています。

この認定を取得するためには、指定性能評価機関の耐火試験に合格する必要があります。

全ての窓ごとに試験を実施し、合格した窓だけが防火設備になる訳です。

試験内容は以下の通りです。

試験体を壁炉前面に設置し、20分の加熱試験を行います。

加熱温度は、上図のように最高781℃に達するようですよ。

また判定方法は以下の通り。

加熱時間中、非加熱側に火炎を出さないことが条件です。

具体的には以下の3つをクリアする必要があります。

①非加熱側に10秒を超えて継続する火炎の噴出がないこと。

②非加熱面で10秒を超えて継続する発炎がないこと。

③火炎が通る亀裂等の損傷および隙間がないこと。

樹脂サッシの素材は『ポリ塩化ビニール(塩ビ)』です。

意外と思う方も多いと思いますが、これは燃えにくい素材で発火温度は450℃程度と言われているんです。

さらに酸素指数が空気中の酸素濃度である21%を上回るため、自己消化性(火元を遠ざけると空気中で燃えない)を持つ素材でもあります。

一般的に燃焼性は『可燃性(燃焼する)』・『 難燃性(燃焼し難い)』・『 不燃性(燃焼しない) 』の3種に分類されます。

難燃性を示す指標としては様々ありますが、『酸素指数』を使うのが一般的。

酸素指数とは、材料の燃えやすさの指標です。

材料の燃焼を維持しうる酸素と窒素の混合物における酸素の最低濃度を表します。

酸素指数が空気の酸素濃度21%より大きい材料は、通常の空気中では燃焼が続けられないと判断できます。

樹脂窓って火に弱いイメージありますよね。

そんな事無いようですよ。

むしろアルミの方が熱で曲がってしまい、火の侵入を早く許すケースもあるようです。

固い話はここまでです。

開口パネルに樹脂窓を取付けたところを撮りました。

外から見ると、こんな感じです。

フレームを接写!

ゴツいフレームが特徴です。

でも、このフレームが熱を伝えないんですよ。

ガラスに貼られたラベルを撮ってみました。 

ちゃんと『ガス』と書かれています。

そして『A16』という文字も見えます。

これ、ガラスとガラスの間の空気層を表しているんですよね。

昔の複層ガラスの空気層は6mmが一般的でした。

ガラスの高性能化が進み、12mmとなり、今は16mmになっています。

これ以上広くしても、ガラス内部で対流が発生してしまい性能が上がらないようですね。

パネル開口と樹脂窓の間には10mmの隙間を設けるようにしています。

写真でわかるでしょうか?

この部分に現場発泡ウレタンを充填します。

写真は従来のウレタンフォームの場合です。

でも、今回から新しいフォームを使う事にしました。

ピン!と来た方もいるでしょう。

そう、エライティックフォームです。

どんなフォームなのか・・・。

窓廻りの断熱処理および気密処理についてブログを書く際にでも、ご紹介したいと思います。

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