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静止空気は熱伝導率0.022W/m・Kと低く、この性質を利用して断熱材は作られています。
断熱材内部にできるだけ小さな空隙が出来るように加工してある訳です。
木材も、その樹種によって熱伝導率が異なります。
スギなどの比重が小さい木材は、その中に空隙が多いことから熱伝導率が小さくなります。
壁内に密閉された空気層がある場合、その層も断熱性能を見込むことが可能です。
空気には若干の粘性がある為、垂直方向で2.0cm以下の層であれば対流は起こりません。
逆に通気層を設ける場合には、この粘性によって通気が妨げられるので、2~3cm以上確保した方が効果的です。
空気層の熱抵抗は以下の表を使って計算できます。
例えば8mmの中空層であれば、
0.09㎡・K/W×0.8cm=0.072㎡・K/W
となります。
密閉空気層が対象のため、通気層を含めることはできません。
最近の複層ガラスの空気層は1.6cmですから、この計算によれば熱抵抗は0.144㎡・K/Wとなります。
これって、熱伝導率0.018W/m・Kの断熱材でも2.6mmにしか相当しません。
えっ、そんなもんなの
って、感じですよね。
でもこの計算式、意外と使えるかも知れません。
厚さ105mmの壁の中に熱伝導率0.020W/m・Kの断熱材を充填し、その内側に30mmの中空層を設けた場合の熱抵抗を計算してみましょう。
中空層の厚さが20mm以上ありますが、躯体なので0.09×中空層の厚さとなります。
0.105m/0.020W/m・K+0.09×3cm=5.52㎡・K/W
これを一般的に使われているグラスウール16Kに換算すると、24.8cm分になります。
中空層の分だけでも12mm分です。
凄いでしょ?
でも、気密施工をしっかりとしなければ『密閉中空層』にはなりませんよね。
施工時には、充分な配慮が必要になると思います。
省エネ・エコ住宅
設計究極マニュアル
増補改訂版
野池政宏 編・著
エクスナレッジ 刊
より、一部を抜粋させて戴きました。
posted by Asset Red
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