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弊社も賛助会員として参加している『HEAT20』より、先日行われた報告会の資料が届きました。
その中に私が興味を持っている、開口部の性能と気密の話があったので簡単にご報告したいと思います。
以前は樹脂とアルミの複合サッシを採用する事が多かった弊社です。
その理由は、防火対応でした。
性能が高いのは判っていましたが、防火設備に当たる樹脂サッシが無かったんです。
まだまだ高価ではあるものの、最近は防火設備に当たる樹脂サッシが使えるようになりました。
当然、樹脂アルミサッシの採用は減っていきます。
当然ですよね。
だって、サッシ自体の気密性が全然違うんです。
サッシの気密性を示す性能等級があります。
A-4等級のサッシであれば、圧力差10Pa時の窓1.0㎡当たりの相当隙間面積はおよそ2.0㎠/㎡なんだそうです。
高さ2.0m×幅1.65mの窓であれば面積は3.3㎡ですから、窓当たりの相当隙間面積は6.6㎠まで認められる訳です。
床面積100.0㎡の家のC値が0.5㎠/㎡であれば、総隙間面積は50㎠となります。
つまり先述の窓が7.6個あれば、全ての隙間を賄えることになる訳です。
でも実際には、窓種や窓シリーズによって窓の相当隙間面積は違います。
同じA-4等級の窓であっても、気密性能の違いは相当ある筈。
隙間の少ないサッシを使いたい!
この違いを知りたいと思っているのは私だけでは無い筈・・・。
HEAT20の資料の中にこんなデーターを見つけたんです。
C17~C20およびO1の4件の調査です。
開口部の仕様と面積、そして開口部の相当隙間面積が出ています。
どうやって調べたんだろう?
調査方法の記述はありませんが、上データーを見ると想像はつきます。
竣工時のC値
竣工時に全ての窓に目張りをした状態のC値
を計測し、その差を開口部の相当隙間面積としたと思われます。
以前に私がやろうとして出来なかった計測です。
C19邸の場合、気密工事完了時のC値は0.31。
竣工時のC値は0.26。
この違いも面白いですよね。
そもそも、気密測定は竣工時が基本です。
でも、弊社では気密工事完了時に行っています。
これを中間気密ということもあります。
この段階であれば、万が一不完全な気密工事があっても、その場で是正することが可能です。
でも、竣工時であれば是正することは出来ません。
中間気密は不正確だとする意見も聞きますが、キチンと決まりを守れば不正確なんてことはありません。
たとえばサッシに目張りをするとか、電気配線の前に計測を行うなどの不正をしない限り、竣工気密よりも数値が良くなることなんかありません。
むしろクロスを貼ることで、竣工時の方が気密性能は高くなります。
だから、弊社では気密測定技能者による中間気密を行います。
上データーでも、竣工気密の方が高い性能を示していますよね。
話を戻しましょう。
開口目張り時と竣工時の違いがサッシの隙間を表します。
これらのデーターを元にまとめたのが先のデーターとなります。
HEAT20/技術専門委員の服部氏によれば、実際のA-4等級サッシの相当隙間面積は1.3㎠/㎡位なんだそうです。
でも現在流通している樹脂サッシのそれは0.18㎠/㎡と、基準の約7倍も高気密なんですって・・・。
ビックリです。
だから、住宅全体の隙間に占める開口部の隙間なんてたいした事ないそうです。
意外でした。
樹脂窓の方が樹脂アルミ窓よりも気密性が高いのは、体験的に判っていました。
でも、こんなに良いとは・・・。
例えばC17邸の場合の窓面積の合計は39㎡となっています。
これに1.3㎠/㎡を掛けた数値は50.7㎠、これを樹脂アルミ窓を採用した時の開口部の相当隙間面積としましょう。
樹脂窓であれば、0.18㎠/㎡を掛けた数値は7.02㎠にしかなりません。
この違いは大きいですよね。
仮に39㎡の樹脂アルミ窓を採用した床面積100㎡の家があったとします。
この時のC値が1.0であれば、隙間面積の合計は100㎠になります。
このうち窓の隙間は50.7㎠、その他の隙間は49.3㎠になります。
窓を樹脂に変えると、総隙間面積は7.02㎠+49.3㎠=56.32㎠になります。
この時のC値は0.56。
凄く腑に落ちました。
こんなデーター、もっと欲しいなぁー。
HEAT20さん、よろしくお願いします。
posted by Asset Red
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