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今日の練馬・板橋は生憎の雨。
気温も低く、気分も沈んでしまいます。
早く止まないかなぁー。
灰色の空を見上げて、溜め息ばかりの私です。
『FPの家 Y邸』
構造現場見学会も無事終わり、ようやくフローリングの施工が始まりました。
写真の黒いものは『制振ゴム』。
厚さ6mmの合成ゴムとフェルトの複合材となります。
コレを床材とネダノン合板の間に挟めば、歩行時の足音や物を落とした時の音を軽減することができます。
またクッションの役割も果たす為、膝裏への負担が軽くなり疲労度が少なくなる効果も期待出来るとか。
人が転倒した時にどれだけの衝撃を吸収出来るのかを表す値をG値といいます。
この値は小さいほど安全性が高いことを示し、日本建築学会床工事WGでは100G以下を推奨値としています。
制振ゴムを挟んだ複合フローリング(t=12mm)のG値は87.7。
制振ゴムを挟まない複合フローリング(t=12mm)のG値は123.1ですから、ゴムを挟んだ方が怪我が少ないことになります。
ちなみにコンクリート下地カーペット敷きの場合のG値は120~140ですから、ゴムの安全効果って結構高いですよね。
そうそう昨日の見学会で、ご来場戴いた方から質問がありました。
「床材により、足裏の温度感が随分と違うことを聞きました。」
「硬い木材を使うと、冷たいんですか?」
床が冷たく感じるということは、足裏温度と床温度に差があるという事。
熱は高い所から低い所に移動する性質を持っているので、足裏が床に触れた瞬間に足裏の熱が床に移動します。
この時に冷たく感じる訳です。
だから、床温度を足裏温度に近づけておけば問題は解決です。
でも足裏温度は26~27℃という話を以前に聞いたことがあります。
弊社では、床・壁・天井の温度を2℃以内に保つことを心情としています。
床温を26℃にしようとすれば、室温を26℃の前後2℃以内にする必要があります。
室温28℃は無いですよね。
24℃で、結構暑いと思います。
床が冷たいと感じる時は、靴下やスリッパを履くという対処の方が現実的なのかもしれません。
あっ!
樹種の違いによる断熱性の違いも書いておかないと、いけませんね。
木材の断熱性能は、繊維中の無数の細胞とそのひとつひとつに存在する空気が関係しています。
次の表をご覧ください。
いくつかの木材の熱伝導率と比重を示したデーターです。
熱伝導率とは物質の両面に1度の温度差があるとき、1㎡当たり1時間にどれだけの熱量が伝わるかを数値化したもの。
だから小さいほど、熱を伝えやすいことを表します。
比重はわかりますよね。
例えばバルサの熱伝導率は0.052、比重は0.16となっています。
バルサと言えば軽い木材の代表格です。
そして重い木材と言えばリグナムバイタ、熱伝導率は0.51、比重は1.2となっています。
やはり軽い木材の方が断熱性能は高いようです。
軽い木材は軟らかく、重い木材は硬いのが一般的。
よって軽い木材の方が暖かいことになります。
でも、だからと言って、熱伝導率の小さいものを選べば良い訳ではありません。
東大の前先生によれば、
裸足における適正床温度は、床材の熱伝導率が大きく熱容量が大きいほど熱流失・熱ロスが大きくなります。
絨毯床であれば、最適温度24℃。推奨温度は20~28℃。
オーク材床であれば、最適温度26℃。推奨温度は24.5~28℃。
コンクリート床であれば、最適温度28.5℃。推奨温度は27.5~29℃。
30℃を超えると低温火傷の恐れが高まります。
ナルホド、熱容量も考えなくてはいけないのか・・・。
熱容量とは1.0㎥の物質を1℃上昇させるのに必要な熱量です。
熱容量の大きいものと言えばコンクリートでしょう。
その熱容量は、1.4Kcal/m3℃
土壁であれば、0.59Kcal/m3℃
スギは0.083Kcal/m3℃
ヒノキは0.088Kcal/m3℃
値が大きい方が温まりにくくなる反面、冷めにくくなります。
ヒノキとスギを比べれば、前者の方が熱伝導率が大きく熱容量も大きいので、熱ロスが大きいことになります。
いちいち、調べないといけないのか・・・。
調べてみると、密度が小さい木材の熱容量は小さくなるそうです。
ということは軽い木材ほど熱容量が小さいことになります。
良かった・・・。
質問に対する回答ができそうです。
木材の熱伝導率と比重を調べれば、床の暖かさの目安になります。
概ね、軽い木材ほど熱容量が小さい。
そして熱伝導率も低い。
軽い木材は軟らかい。
重い木材は硬い。
結論!
軟らかい木材の方が硬い木材よりも暖かい床をつくりやすい。
こんな話を長々と読んでも、やっぱりピンと来ませんよね。
posted by Asset Red
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