白蟻に強い土台

沖縄は梅雨明けしたようですね。

練馬・板橋の梅雨明けは何時になるんだろう?

早く開ければいいのに・・・。

『FPの家 K邸』

土台敷きを行いました。

えっ!土台敷きって何?

なんて方もいるかも知れませんね。

朝一番に運ばれて来た土台および大引きを、基礎の上に据え付ける作業を土台敷きと言います。

土台&大引きはプレカット工場で加工がされています。

「ただ組み立てればいいんでしょ?簡単じゃん!」

いえいえ、ただ組み立てて載せればいいという訳ではないんです。

色々な作業が必要なんです。

①材料に書かれた番付を見て、取付ける場所まで運ばなければなりません。

②アンカーボルトの孔を明けなければなりません。

基礎の天端からは沢山のアンカーボルトが出ています。

アンカーボルトの写真です。

だから土台を基礎の上に載せ、アンカーボルトの位置を記します。

基礎の天端には予め土台の配置が記してあるので、その墨に合わせて土台を置きます。

そして土台の側面にアンカーボルトに沿って線を引きます。

土台の面からアンカーボルトの芯の寸法を測り、土台の上面に〇印をつけます。

後はドリルで〇印に孔を明けるだけ。

③土台の下端に防蟻剤を塗布します。

一般的に、土台及び大引きの防蟻処理は建て方終了後に行います。

でもそのタイミングだと、基礎の上に載せた土台の下面に防蟻剤を塗るのが難しいんです。

だから、土台敷きのタイミングで塗るようにしています。

事前に貰っておいたポリ容器、この中にホウ酸換算濃度24%以上の水溶液が入っています。

そう『ボロンdeガード工法』用の防蟻剤です。

これを、アンカー孔を明けた土台の裏側に塗ります。

 3人で作業に当たりました。

二人がアンカーの墨を付け、孔明け作業を行う場所に運びます。

④基礎パッキンを敷込みます。

黒い板状のものが基礎パッキンです。

土台と基礎の間に挟み、全周換気を図るスグレモノです。

シロアリの嫌いなものは風と日光なんです。

だから、基礎内の通風を良くすることが耐朽性を高めるためには重要です。

また基礎が結露をしても、土台に直接触れていないので濡らすことがありません。

⑤いよいよ、土台を基礎の上に載せます。

土台に書かれた番付を元に土台を配置し、継手や仕口を納めます。

写真のように仕口の雄雌を合わせたら、掛矢(大きなハンマー)で叩いて納めます。

今回も、一部に特殊な金物を採用しました。

アンカーボルトに取付け

土台を納め、柱の中に入れる棒を捻じ込みます。

大引きの裏には、鋼製束を取付けました。

土台敷き、完了です。

そうそう、今回も土台および大引きには国産檜の芯持ち材を採用しています。

土台の先端を撮ってみました。

芯見えるでしょうか?

こちらの土台には芯がありません。

芯去り材と言います。

これも土台です。

えっ!土台は檜なんでしょ?

構造計算の結果、檜だとめり込み強度が足りない部分があったんです。

そのため、その部分にだけ『防腐土台』を使っています。

米松にインサイジング加工を施し、防腐剤を加圧注入してある土台です。

シロアリの好きな木材・嫌いな木材を挙げてみました。

大→中→小の順番で、シロアリに食べられにくくなります。

ヒバは大、ヒノキやスギは中、ベイマツは小になっています。

でも注意して見てみると、こんな文言が書いてあります。

熱帯産材を除く全ての辺材は小

辺材とは芯去り材のことです。

つまり芯持ち材でなければ、どんな国産木材を使ってもシロアリの被害に会う可能性が高いことになります。

芯去り材を使うのであれば、防腐土台のように薬剤を加圧注入しなければならない。

現場で防蟻剤を塗っても良いんですけど・・・。

一般的な合成殺虫剤系の防蟻剤の効果は5年と言われています。

もちろん、保証年限も5年です。

ホウ酸系であれば、水で流れない(溶脱と言います。)限り永久に効果は続きます。

保証は最長15年です。

いずれにしても、ある程度の年数が来れば再度防蟻処理をすることになるでしょう。

でも新築時と違い、完璧な施工を望むのは無理だと思います。

塗りきれない部分があるに違いない。

だからこそ、シロアリに強い木材を使っておいた方が良いと思いませんか?

これが弊社が国産檜の芯持ち材を使う理由です。

防腐土台を使うのも良いんですが、薬剤がどこまで染みているのか一抹の不安が残ります。

その分、ホウ酸をたっぷりかければ問題ないと思いますが・・・。

posted by Asset Red

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