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断熱材は『熱の伝わりにくい』材料です。
そして、熱の伝わりにくさを数値化したものが『熱伝導率』。
材料の表裏両面に1℃の温度差がある時に、厚さ1mの材料の中を1㎡あたり1時間にどれだけの熱量が伝わるかを示しています。
値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能が優れています。
ただし熱伝導率だけで断熱性能を決めつけてはいけません。
熱伝導率の高い(熱の伝わりやすい)材料でも厚く施工すれば、性能の高い断熱材と同程度の断熱性能を確保することも可能ですから。
こうした観点から、熱伝導率と材料の厚さを考慮した数値に『熱抵抗値(R値)』があります。
この値は、大きいほど高性能を示します。
『断熱力』なんて表現する場合もあります。
例えば一般的な断熱材、厚さ100mmの熱伝導率0.045W/m・Kのグラスウール(16K)の断熱力は
0.1m/0.045W/m・K=2.222㎡・K/W・・・①
となります。
これにEPSを付加すると、こうなります。
厚さ50mmの熱伝導率0.035W/m・KのEPS+厚さ100mmの熱伝導率0.045W/m・Kのグラスウール(16K)の断熱力は
0.05m/0.035W/m・K+0.1m/0.045W/m・K=3.650㎡・K/W・・・②
FPの家であれば
厚さ105mmの硬質ウレタンの熱伝導率は0.024W/m・K(標準パネル)もしくは0.020W/m・K(プラチナパネル)ですから、その断熱力は
0.105m/0.024W/m・K=4.375㎡・K/W・・・③
0.105m/0.020W/m・K=5.250㎡・K/W・・・④
①を1とすれば、それぞれの断熱力はこうなります。
①・・・1.00
②・・・1.64
③・・・1.96
④・・・2.36
わかりやすい!
断熱性能は使用している断熱材の種類(熱伝導率)で示すのではなく、断熱力で示さないといけませんね。
ちなみに④と同等の性能を得ようとしたら、こんな感じになります。
厚さ40mmの熱伝導率0.018W/m・Kのフェノールフォーム+厚さ120mmの熱伝導率0.038W/m・Kの高性能グラスウール(16K)
その断熱力は
0.04m/0.018W/m・K+0.12m/0.038W/m・K=5.380㎡・K/W
となります。
何を使うのかではなく、何をどの位の厚さ使うのか。
大事なのは、コレだと思います。
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