建前って、どうやるの?

今日はアセットフォーの定休日。

昨日の建前の疲れを癒したいんですが・・・。

中々のんびりしている暇もないんですよ。

今回は、建前について簡単に書きたいと思います。

そもそも、建前って何?

という方もいるでしょう。

コトバンクによれば、

家屋の建築で、基礎の上に柱・梁(はり)・棟など主な骨組みを組み立てること。

また、その時に行う祝い

棟上げ・上棟(じょうとう)式とも言います。

弊社の場合であれば

プレカット工場から現場に運ばれた、加工された構造材(土台・柱・梁等)を

大工や鳶職代わりの足場業者が

重機を使って行う

構造体の組立作業となります。

前日までに

基礎の上に土台および大引きを取付ける『土台敷き』

安全に高所作業を行うための『先行足場架設』

を行います。

周辺状況に応じて、建前当日にはガードマンを配置し安全確保を行う場合もあります。


建前の説明の前に、構造材の加工についても書かせていただきます。

構造材は、伏図に基づいて機械で加工されます。

そして伏図は、構造計算(許容応力度計算)により安全確認を行いながら作成されます。

担当者の経験・勘・度胸(KKD)といった、従来の判断基準に基づいている訳ではありません。


伏図はこんな感じに描かれています。

横軸右から、い・ろ・は・・・。

縦軸下から、1・2・3・・・。

と『番付(ばんづけ)』が振られ、その交点で座標の指示を行います。

例えば、『通り1番の柱』とか『通り1番から通り1番の梁』といった具合です。

プレカット加工された部材にも『番付』は振られていているので、いちいち伏図を見なくても建前を行うことが可能です。

写真であれば、縦の梁の『ろ12』の仕口に『ろ12』の仕口を合わせればいい訳です。

仕口とは、直交する部材同志の接続を言います。

イラストの場合は『大入れ蟻加工』、良く使われる加工です。

色が濃い方の部材が雄材、薄い方の部材が雌材となります。

先に雌材を配置し、雄材を嵌め込むようになっています。

イラストのように同一方向に接続する場合は、継手といいます。

この場合は腰掛鎌継手、同じく良く使われる継手です。

左側が雄材、そして右側が雌材です。

柱にも、番付が振ってあります。

梁に開いたホゾ穴に、同じ番付の柱のホゾ穴を挿せば良いわけです。

柱の上にもホゾ加工がされています。

同じ番付の梁を探し、穴にホゾを挿せば良い訳です。

もっとも、梁の掛け方には順番があります。

雌材を入れなければ雄材を入れることができませんから・・・。

そして、下から順番に組み立てる必要があります。

土台→1階柱→2階床梁→2階柱→小屋梁→小屋束→母屋・棟木

そして、それぞれの部材に所定の方法で金物補強を行います。

バタバタと慌ただしい現場で、いちいち伏図を読んでいる暇なんてありません。

梁や柱に書かれて番付を読み、部材のの加工形状を確認し、建て方を行います。

そうそう、大事な事を忘れていました。

それぞれの階で、同じ番付が存在します。

つまり、いの1番の柱は1階にも2階にもある訳です。

だから、番付は色分けされています。

1階部材は黒、2階部材は赤といった具合です。

鳶職が慣れた方であれば、建て方はスムーズに行われます。

不慣れであれば、悲惨な結果を招きます。

なんと言っても、たった1日のスピード作業です。

みんな真剣です。

鬼気迫るものがあります。

posted by  Hoppy Red 

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