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今日の練馬・板橋も暑いですよー。
どうやら梅雨が明けたらしい・・・。
やったぁー。
『FPの家 K邸』
せっせと屋根下地をつくっています。
140×38のタルキが455mmで並んでいます。
いつ見ても、凄いですよね。
今回はロフト床構面と火打構面が効いているため、屋根構面をそれほど固くする事もありません。
よって、タルキ止め金具も小さなタイプで済みました。
そして今回はロフト利用のため屋根断熱を採用しました。
タルキ間にFPウレタンパネルを充填します。
タルキ間に転がっているのが『FP遮断パネル』。
30×105の国産杉製木枠の中に、硬質ウレタンフォームを充填した断熱パネルです。
パネル上面にはアルミクラフト紙製の遮熱通気層が2層設けられていて、夏に効くんですよ。
ここで断熱と遮熱の違いを簡単に説明させていただきます。
断熱性に優れているという事は、室内と室外の熱の出入りを小さく出来るということです。
熱は高いところから低いところに移動する性質を持っています。
だから夏は室外から室内に、冬は室内から室外に熱が侵入することになります。
これをブロックするのが断熱材であり、気密施工となります。
こうした施工を丁寧に行ったとしても、防ぐことが出来ないものがあります。
日光です。
これが室内に入ると熱に変わり、室温を上昇させます。
どんなに断熱・気密を完璧に行っても、日光による輻射熱を防ぐことはできません。
これを防ぐ=遮熱性に優れていると言います。
輻射熱って、理解するのが難しい・・・。
でも、簡単な実験があります。
是非、やってみてください。
①両手をしばらく擦ってください。
②両手が暖かくなったら、頬に触らないよう注意して手を近づけてください。
③しばらく待ちます。
④頬に暖かさを感じませんか?
これ、手と頬の間の空気が暖められてその熱を感じた訳ではありません。
暖かくなった手から出た熱線が頬に当たり、輻射熱で暖かくなったんです。
だから、宇宙空間で同じ実験をしても結果は変わりません。
対流や伝導の無い真空空間でも、輻射による熱移動は行われます。
太陽熱が地球を温めているのが良い例です。
話を元に戻しましょう。
屋根に当たった日光が屋根材を温め、伝導で以下のように熱を室内に伝えます。
温められた屋根材→野地板→タルキ→断熱材→石膏ボード→室内
でも野地板と断熱材の間には通気層がありますから、温められた空気は通気層を通って棟換気から排出されてしまいます。
排出された空気に代わり、軒天換気口から採り入れられた外気が満たされれば通気層内の温度上昇は無い筈ですよね。
(野地板からタルキへの熱移動はありますが・・・。)
でもこの時、輻射による熱移動も行われているんです。
温められた屋根材そして野地板は熱線を発します。
それらから発せられた輻射熱は、通気層を飛び越えて断熱材に伝わります。
電子レンジに入れられたごはんのように、何にも接していなくても断熱材は温められてしまうんです。
上のイラストでは、74.9℃の屋根表面温度が断熱材表面の温度を48.1℃まで温めています。
これでは堪りません。
寝苦しくて、昼寝も出来ません。
でも、野地板と断熱材の間に遮熱通気層を設ければ状況は一変します。
わずか2枚のアルミクラフト紙が作る遮熱通気層の効果です。
アルミシートの遮熱効果は、皆さんもご存知のことと思います。
この時期は、至る所で売られていますよね。
この遮熱通気層が熱線を遮断し、断熱材の表面温度を30.9℃に抑えるんです。
その差、17.2℃。
冷房費も大きく変わります。
施工は至って簡単です。
タルキの間に入れます。
バネル周囲の木枠とタルキを釘で固定します。
写真は遮断パネルをタルキ間に入れ、釘で固定したところを撮ったもの。
ギラギラ光っているのがアルミクラフト紙です。
表面だけが緑色になっています。
施工時の眩しさを少なくするのが目的です。
若干、遮熱性能は落ちるようですが仕方ありません。
以前は銀色だったんです。
眩しくて眩しくって・・・。
目が眩んでしまいました。
この時期は、辛いんですよねー。
上から太陽光線、そして下から反射した熱線。
ダブルの攻撃で、ヨレヨレです。
この後、畳まれたアルミクラフト紙を起こして通気層にします。
畳まれたアルミクラフト紙を起こして、タルキにステップルで留め付けている様子を撮ってみました。
遮断パネルの取付完了です。
軒先を見るとこんな感じです。
この上に野地合板を取付ければ、屋根下地完了です。
明日はFPパネルの搬入を行います。
そして、搬入したパネルに高濃度ホウ酸を散布します。
暑い1日になりそうですが、現場内は気化熱のお蔭で涼しいかもしれません。
posted by Asset Red
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